第17話 冒険者ランクアップ
「さてと、俺とレンゲのレベルも99になったし、冒険者ギルドに向かうか」
俺はそう言うと、転移札を破って『転移』と唱えセイレーンの冒険者ギルドの前に移動した。
その辺を歩いている通行人は何もないところから急に三人が現れびっくりしているが、俺たちは気にすることも無く、ギルドの中に入っていく。
「いらっしゃーい、今日は要件は何かしら?」
「俺と後ろの子の冒険者ランクを更新に来ました」
俺とレンゲは冒険者バッチを受け付けに出した。
レベルも99になったのですんなり更新は終わるかと思ったが、測定器では素のステータスを計測する為、相変わらず俺は適正が≪ABCD≫全てになっている。
レンゲはあっさりとAランクに昇格、俺は裏でステータス画面を見せながら説明し、ある種の特例としてAランクに昇格となった。
ギルドを後にすると、そのままカジュレスに行きAランク昇格祝いをした。
まあ、ただ食事をしただけなんだけどな。
Aランクにもなったのでクエストを受注してもいいのだが、俺たちは次の国に向かう事にした。
転移札によって一度行った所ならいつでも行けるようになったので、なるべく早く世界を回るという事になった。
現状行ける国は生まれ故郷のリスタルトとノービス、セイレーンの3カ国だ。
細かい事を言えば魔森の入り口などにも行けるが、国としては3カ国に留まる。
マロンに転移札を使用してもらったが、転移先は札を作った人間の行った事がある土地に限られるらしく、3カ国以外には行けなかった。
「さてと、じゃあ先ずは大国の南の国【コーナン】と東の国【イストルテ】に行くとするか」
「そうですね、簡単に移動も出来ますし、色々な国を回っておきたいですね」
「うん、それに他の国の美味しい後はももっと食べたい」
「じゃあ、まずはコーナンを目指すか」
「「はい」」
全員レベル99になったことで、現状俺もレンゲもレベルアップの必要が無くなった。
なので、道中のモンスターはマロンが切り伏せている。
セイレーンで、いつもの服装に防水の効果を付けた為、今後は返り血で鮮血の聖女になることは無い。
まあ、それでも怪しく笑いながらモンスターを切り伏せる聖女。
うん、絵面的にどうなの聖女様?
野営は異空間札のおかげでテントも不要になり、異空間で生活している。
作った異空間札は
〔エルクの部屋〕
〔マロンの部屋〕
〔レンゲの部屋〕
〔寝室〕
〔キッチン&リビング〕
〔お風呂〕
〔収納庫〕
以上7枚だ。
多すぎると覚えてられないのでこのぐらい。
各部屋には個人の私物、服や趣味の物を保管している。
寝室はレンゲが一緒に寝たいって事なので1室だけにした。
最初の頃はマロンは自分の部屋で寝ていたが、最近は寝室で一緒に寝るようになった。
うん、聖水の漏らし癖が治ったようでよかったよ。
収納庫にはモンスターのドロップ品や武器の予備など、色々な物をしまっている。
異空間札のおかげで、衣食住と野営でも困ることが無くなり快適に旅を続け、10日ほどでコーナンにたどり着く事が出来た。
「うーん、コーナンは派手だな」
「うん、なんか凄くにぎやかで、凄く煌びやか」
「コーナンは商いが盛んな国ですからね。今までに見たことが無いものにはすぐに飛びつく習性がありますし、いかに派手に、いかに目立てるか。あとは商売人も目立つために声が大きいので、こんな感じになってますね」
「おっ、そこのにーちゃんにねーちゃん、うちの店寄ってかんかい?今日はなかなかの粒ぞろいだぞ」
「粒ぞろい?おたくは何の店なんだ」
「にーちゃんたち、この国は初めてかい?」
「私は各国回っているので初めてではないですが、他の二人は初めてですよ」
「ほーかほーか、うちは奴隷商や。今日は珍しいんがおるでのー」
「奴隷?それは良いのか?」
「この国では人間や他種族も売買の対象で合法なんでっせ。なんなら奴隷商もうちだけやおまへんで」
「そうなのか。まあ、色々な国を見て回るのも旅の一つだし、覗いてみるか」
「私は構いませんよ。まあ、正規のルート以外で奴隷にしているようなら潰しますけど」
「うん、何かあれば私がワンパンするね」
「レンゲ、お前のワンパンは危険だから自重するんだぞ。まあ、とにかく中を覗いてみるか」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます