第2話 パーティーメンバーが見つかりました

「さてと、とりあえずサクッとクエストこなすか」


まずは、クエスト用紙に書いてある場所へ向かった。

クエスト用紙には今回の依頼場所が地図付きで載っている。

Dランクの冒険者が受注出来るクエストは、基本的には近場の物ばかりだ。


「まずは、スライムだな。スライム何てのは誰でも倒せるから危険もないし、サクサクこなすか」


俺は、依頼にあったスライム10体をサクッと倒し、今度はゴブリン討伐に向かった。

ゴブリンはスライムに比べれば、道具を使ったり多少の危険はあれども、それでも初級の冒険者でも簡単に倒せるモンスターだ。

モンスターもSからDでランク分けされているが、スライムもゴブリンもDランクだ。


「さてと、次はゴブリンと。サクサク倒してレベルを上げて、次いでに稼がないとな」


ゴブリン程度なら、多少レベルも上がっているし、特に問題なく討伐出来る。

ゴブリンも問題なく討伐が終わったので、その後は近くの森に行き、レベル上げに励んだ。


「ステータスオープン」


==============

名前:エルク

Lv:9

職業:紙

HP:15/19

MP:15/19

腕力:19

魔力:19

防御:19

俊敏:19


ユニークスキル:紙使い

Lv1:紙召喚

Lv2:念写

Lv3:?????

Lv4:?????

Lv5:?????

Lv6:?????

Lv7:?????

Lv8:?????

Lv9:?????

Lv10:?????


==============


「まあ、最初のうちは簡単にレベルが上がるな。でもまあ、Cランクになるにはレベル20ぐらいは必要だし、明日からもレベル上げだな。とりあえず、今日はこれぐらいにして、ギルドに報告に戻るか」


俺は、今日倒したモンスターの各部位を袋に収納して、ギルドに討伐報告に向かった。


「あらエルクさん、おかえりなさい」


ギルドではエリーが満面の笑みで俺を迎えてくれた。


「ただいま。これ、今日の討伐報告だ」


そう言って、俺は袋に入ってる討伐証明を提出した。


「かしこまりました。では、確認してきますので少々お待ちください」


俺は、近くの椅子に座り、エリーに呼ばれるのを待っていた。

そうして待っていると、突然見知らぬ女性に声をかけられた。


「初めまして、こんにちは。私、マロンって言います」


マロンと名乗る女性は蒼く長い髪で白の聖職者が纏う服を着て、童顔ペチャパイのお子様のような子だ。

顔は至極美しく、顔だけ見れば絶世の美女だが、いかせんペチャパイのせいで子供にしか見えない。


「俺に何か用か?」


「はい。私とパーティーを組んで頂けませんか?」


「何故だ?お前は何者だ?なんの目的だ?」


「私、聖女をしています。神の啓示で、貴方様とパーティーを組むようにありましたので、今回お願いに来ました」


「はぁ゛?神だぁ゛?断る!」


「えっ?何故でしょうか?私、これでもレベルもランクをそれなりに高いです。旅をするなら邪魔にはならないはずですよ」


「俺は神が嫌いだ。神の啓示なんてクソ喰らえだ」


「そうですか、でも私は貴方様に着いていきます」


「はぁ゛?何だよめんどくせーな。お前レベルとランクは何なんだよ?」


「えっとですね、私はSランク冒険者でレベルは99です」


「超高ランク冒険者様かよ!それにレベルもMAXじゃねーか」


「一応そうなります。ですが、私の目的は魔王の討伐。私一人では達成出来ません。何より、私はこれ以上成長出来ませんので、仲間の協力が必要です。そこで神に祈った所、一人目に貴方様を仲間にするよう、啓示がありました」


「なんで俺なんだ?Dランク冒険者でレベルも9だぞ。しかも職業もスキルも屑だし、聖女様の仲間にするメリットなんて、なんもないぞ」


「神の啓示は絶対なのです。どうか私と仲間になってください」


そんな話をしていると


「エルクさーん、確認が終わりましたので、こちらにお越しくださーい」


エリーの声がギルドに響いた。


「じゃあ、俺は行くから。じゃーな」


「エルク様ですね。お待ちくださいエルク様」


そう言って俺はエリーの元に向かい、マロンは俺に着いてきた。


「エルクさん、こちら報酬になります」


おれはエリーから銀貨5枚を受け取った。


「ところで、後ろの方はどなたですか?」


「知らん、ただの他人だ」「マロンと言います。エルク様のパーティーメンバーです」


俺とマロンは噛み合わない回答をエリーにする。


「はあ?マロンさんは冒険者様ですか?」


「はい、ギルドには所属しないフリーですが、こういった感じです」


そう言ってマロンは、服の内側に縫ってあるランクを証明するバッチを提示した。


「!?Sランク冒険者様ですか!?」


「はい、一応聖女で冒険者をさせて頂いています」


「エルクさん、彼女とパーティーを組んで下さい。あとすぐに旅に出てください」


「何でですか、エリー?」


「聖女様は世界でただ一人の最上級レア職業です。魔王討伐には勇者様の聖剣か、聖女様の聖魔法でしか達成出来ません。全ギルド共通になりますが、勇者様と聖女様の依頼は絶対なのです。それに逆らえば、ただの冒険者なんてすぐに資格剥奪です。ギルドにも悪影響があります。なので、すぐに出てって下さい。」


「つまり、マロンの話を断れば、Dランクですら剥奪と?」


「はい、そうなります」


エリーは満面の笑みで俺を見る。

神め、どれだけ俺に恨みがあるんだ、くそじじいが!


「わかりましたよ。でもマロン、俺は弱いからな。仲間にしてから文句言うなよ。ステータスオープン」


そう言って、俺はマロンにステータス画面を見せる。


==============

名前:エルク

Lv:9

職業:紙

HP:15/19

MP:15/19

腕力:19

魔力:19

防御:19

俊敏:19


ユニークスキル:紙使い

Lv1:紙召喚

Lv2:念写

Lv3:?????

Lv4:?????

Lv5:?????

Lv6:?????

Lv7:?????

Lv8:?????

Lv9:?????

Lv10:?????


==============


「職業”紙”ですか、初めて見ました。では私もステータスオープン」


==============

名前:マロン

Lv:99

職業:聖女

HP:2211/2211

MP:9253/9253

腕力:523

魔力:13568

防御:3526

俊敏:1953


スキル:聖魔法

スキル:慈愛

スキル:加護

スキル:浄化

スキル:回復魔法

スキル:蘇生魔法

スキル:全魔耐性


==============


「けっ、大層なステータスだな。俺なんて必要か?」


「神の啓示ですので。それに私一人では魔王には全く歯が経ちません。エルク様の力が必要になるはずです」


「ったく、わかったよ。じゃあ、俺から一つだけ条件だ。俺の事はエルクって呼んでくれ。様とか気持ち悪いからよ」


そう言って俺は右手を差し出す。


「分かりましたエルク。これからよろしくお願いします」


マロンは微笑み俺の右手を掴み握手をした。

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