神様クビになりました。~転生したら神だったのに、やりたい放題してたら大神様からクビ勧告。職業”紙”で地上に落とされたが実はチート職業。地上で無双してます~
灰被り姫
第1話 神様クビになりました
「エルク、お前の”全知の神”の称号を剥奪する。これにより神をクビとし、エデンより追放する」
「何故ですか大神様!!俺が一体何をしたというのですか!!」
「禁書の持ち出し、天使へのパワハラ・セクハラ、女神へのストーカー行為に地上での数々の暴力騒ぎにその他諸々。他に何か言うことはあるかエルクよ?」
「ッチ!このネチッコイ大神め。細々調べてんじゃねーよ!!」
「まったく、一回目の人生で不幸な死を遂げた為、神へと転生したというのに、やりたい放題やりおって」
俺は一回目の人生で、たった一度のクエストで命を落とした。
その後、何故か”全知の神”に転生することが出来たので、今まで出来なかった事をやりたい放題やっていた。
そうしたら今日、上司である大神様に呼び出され、クビ勧告だ。
「お前は再度人間へ転生じゃ。職業”かみ”として、一から冒険者をやり直すのじゃ」
「なんだと?職業”神”だって?良いじゃないか、地上で神が出来るなんて最高じゃないか!早く俺を転生させろよじじい!!」
「まったく、お前は何も反省しておらんの。まあいい、エルクよ、お前をエデンより追放し人間へ転生とする」
大神がエルクに手をかざすと、エルクの身体は粒子へと変わり、そのまま地上へ移動して再度人間として再形成された。
※
「ふー、久しぶりの人間だな。神だった頃は不死だったが、また人間になっちまったからそこは気を付けないとな」
自分の身体を触りながら、人間の身体であることを確認した。
見た目は神に転生する前、死ぬ直前の状態になっている。
なので、胸にはDランク冒険者のバッチがつけられている。
「Dランク冒険者か。まあいい、俺は神なんだから、すぐにSランク、いやSSSランクにだってすぐになってやるさ」
そう言ってエルクは「ステータスオープン」と唱える。
==============
名前:エルク
Lv:1
職業:紙
HP:11/11
MP:11/11
腕力:11
魔力:11
防御:11
俊敏:11
ユニークスキル:紙使い
Lv1:紙召喚
Lv2:?????
Lv3:?????
Lv4:?????
Lv5:?????
Lv6:?????
Lv7:?????
Lv8:?????
Lv9:?????
Lv10:?????
==============
「えっと、まあステータスはレベルが低いから仕方がないとして、スキルスキル。なんだ紙使いって?聞いたことないぞ?紙召喚だと?なんだこれは。詳細オープン」
そう言って、『紙召喚』の詳細を確認する。
☆MP1を消費し、紙を1枚召喚する。
「はあ!?なんだこのスキル??俺は神だろ?なんだこの屑スキルは?…………はあ゛??職業”紙”だと??神じゃなく紙だと!?ふっざけんな、あのくそじじいがーーーーーー!!!!」
俺は、あり得ないほどの声量で、天に向かって怒鳴りつけた。
「ハァハァ…、何だこの屑職業に屑スキルは!?こんなんでいったい、これからどうしろっていうんだ??」
俺は仕方なく、試しに紙召喚のスキルを使ってみた。
とりあえずMPがあるだけ、11枚の紙を手元に出した。
どこからどう見てもただの紙だ。
何かあるわけでもない、どこにでもあるただの紙だ。
「あんの、くそじじいがーーーーーー!!!!」
俺は再度、天に向かって咆哮する。
「ったく、これからどうしろって言うんだ。とりあえず無一文だし、その辺のモンスターでも退治して、日銭を稼ぐしかないか…」
そう言って周辺を見回すと、ちょうどそこにはスライムがいた。
スライムは冒険者どころか一般人でも倒せるレベルのモンスターだ。
俺は腰にある短剣を手に取り、スライムに切りかかる。
ただのスライムは俺の一撃であっさりとたおされ消滅していった。
≪レベルが上がりました≫
==============
名前:エルク
Lv:2
職業:紙
HP:10/12
MP:0/12
腕力:12
魔力:12
防御:12
俊敏:12
ユニークスキル:紙使い
Lv1:紙召喚
Lv2:?????
Lv3:?????
Lv4:?????
Lv5:?????
Lv6:?????
Lv7:?????
Lv8:?????
Lv9:?????
Lv10:?????
==============
「なんだよこのステータスの上昇幅。まさかずっとこんな上昇幅じゃねーよな?」
そう言いながら、俺は近くにいたモンスターを何体も狩って行った。
≪レベルが上がりました≫
==============
名前:エルク
Lv:5
職業:紙
HP:10/15
MP:0/15
腕力:15
魔力:15
防御:15
俊敏:15
ユニークスキル:紙使い
Lv1:紙召喚
Lv2:念写
Lv3:?????
Lv4:?????
Lv5:?????
Lv6:?????
Lv7:?????
Lv8:?????
Lv9:?????
Lv10:?????
==============
「畜生、マジで1づつしか上がらねえじゃねえか。あん?念写だ?詳細オープン」
☆手に持っている紙に、文字でも絵でも、思い描いたものを映し出す。
「ふっざけんな、くそじじいがーーーーーー!!!!俺に書士や似顔絵師でもやれってか、くそじじいがーーーーーー!!!!」
その日は叫び疲れた事もあり、街に戻って宿を探した。
途中モンスターのドロップ品を換金して、手持ちは銀貨2枚と銅貨20枚。
ボロ宿なら、素泊まり銀貨1枚といったところもあるので、一先ずボロ宿に泊まった。
「さてと、これからどーすっかな?とりあえず、明日は一旦、ギルドに顔を出してみるか」
一夜明け、俺はギルドに顔を出した。
「いらっしゃいませー……って、あなたエルクさんですか?今までどこにいたんですか?3年も消息不明ですでに死んでしまったかと思っていましたよ!?」
受付嬢の女性が俺を見ると目を見開いて驚いていた。
その人はエリーと言って、長い金髪に大きな目、胸が大きい訳ではないがバランスの取れた美しいプロポーション。
愛くるしい笑顔が特徴の優しい女性だ。
俺を担当する予定だった人だが、俺が1回目のクエストで死んでしまったので1回限りの担当だ。
「いや、ちょっと色々あったんだ。それより、俺はまだ、このギルドでクエストを受注しても大丈夫か?」
「そうですか。はい大丈夫ですよ。その胸のバッチがある限り、当ギルド冒険者です」
「そうか、よかったよ。じゃあ、Dランクでも受注出来てレベル上げも出来るクエストはないかな?」
「では、この辺はいかがでしょか?」
クエストはスライムやゴブリンなど、下級モンスターの駆除だ。
街で農作物に被害が出ている為の駆除依頼となっているが、駆除対象の数が少ない為Dランクでも受注出来るのだ。
冒険者ランクは下がDで一番上がSSSとなっている。
Sランク以上はドラゴンや厄災など、多大な被害の可能性を救ったものに送られるので、通常はAランクまでしか上がらない。
俺は新人の為、一番下のDランクだ。
俺は何枚かクエストを受注して、モンスター討伐に向かったのだ。
「仕方がないし、とりあえず少しでもレベルを上げるか。スキルは屑だしステータスは1づつしか上がらんけど、生活する為にもせめてCランクにはならないとな」
予定では職業”神”で無双予定が、くそじじいのせいですべてがパァだ。
最低でもBランクにはならないと、冒険者だけでは暮らせないので、一先ずCランクを目指す事にした。
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