神様クビになりました。~転生したら神だったのに、やりたい放題してたら大神様からクビ勧告。職業”紙”で地上に落とされたが実はチート職業。地上で無双してます~

灰被り姫

第1話 神様クビになりました

「エルク、お前の”全知の神”の称号を剥奪する。これにより神をクビとし、エデンより追放する」


「何故ですか大神様!!俺が一体何をしたというのですか!!」


「禁書の持ち出し、天使へのパワハラ・セクハラ、女神へのストーカー行為に地上での数々の暴力騒ぎにその他諸々。他に何か言うことはあるかエルクよ?」


「ッチ!このネチッコイ大神め。細々調べてんじゃねーよ!!」


「まったく、一回目の人生で不幸な死を遂げた為、神へと転生したというのに、やりたい放題やりおって」


俺は一回目の人生で、たった一度のクエストで命を落とした。

その後、何故か”全知の神”に転生することが出来たので、今まで出来なかった事をやりたい放題やっていた。

そうしたら今日、上司である大神様に呼び出され、クビ勧告だ。


「お前は再度人間へ転生じゃ。職業”かみ”として、一から冒険者をやり直すのじゃ」


「なんだと?職業”神”だって?良いじゃないか、地上で神が出来るなんて最高じゃないか!早く俺を転生させろよじじい!!」


「まったく、お前は何も反省しておらんの。まあいい、エルクよ、お前をエデンより追放し人間へ転生とする」


大神がエルクに手をかざすと、エルクの身体は粒子へと変わり、そのまま地上へ移動して再度人間として再形成された。





「ふー、久しぶりの人間だな。神だった頃は不死だったが、また人間になっちまったからそこは気を付けないとな」


自分の身体を触りながら、人間の身体であることを確認した。

見た目は神に転生する前、死ぬ直前の状態になっている。

なので、胸にはDランク冒険者のバッチがつけられている。


「Dランク冒険者か。まあいい、俺は神なんだから、すぐにSランク、いやSSSランクにだってすぐになってやるさ」


そう言ってエルクは「ステータスオープン」と唱える。


==============

名前:エルク

Lv:1

職業:紙

HP:11/11

MP:11/11

腕力:11

魔力:11

防御:11

俊敏:11


ユニークスキル:紙使い

Lv1:紙召喚

Lv2:?????

Lv3:?????

Lv4:?????

Lv5:?????

Lv6:?????

Lv7:?????

Lv8:?????

Lv9:?????

Lv10:?????


==============


「えっと、まあステータスはレベルが低いから仕方がないとして、スキルスキル。なんだ紙使いって?聞いたことないぞ?紙召喚だと?なんだこれは。詳細オープン」


そう言って、『紙召喚』の詳細を確認する。


☆MP1を消費し、紙を1枚召喚する。


「はあ!?なんだこのスキル??俺は神だろ?なんだこの屑スキルは?…………はあ゛??職業”紙”だと??神じゃなく紙だと!?ふっざけんな、あのくそじじいがーーーーーー!!!!」


俺は、あり得ないほどの声量で、天に向かって怒鳴りつけた。


「ハァハァ…、何だこの屑職業に屑スキルは!?こんなんでいったい、これからどうしろっていうんだ??」


俺は仕方なく、試しに紙召喚のスキルを使ってみた。

とりあえずMPがあるだけ、11枚の紙を手元に出した。

どこからどう見てもただの紙だ。

何かあるわけでもない、どこにでもあるただの紙だ。


「あんの、くそじじいがーーーーーー!!!!」


俺は再度、天に向かって咆哮する。


「ったく、これからどうしろって言うんだ。とりあえず無一文だし、その辺のモンスターでも退治して、日銭を稼ぐしかないか…」


そう言って周辺を見回すと、ちょうどそこにはスライムがいた。

スライムは冒険者どころか一般人でも倒せるレベルのモンスターだ。

俺は腰にある短剣を手に取り、スライムに切りかかる。

ただのスライムは俺の一撃であっさりとたおされ消滅していった。


≪レベルが上がりました≫


==============

名前:エルク

Lv:2

職業:紙

HP:10/12

MP:0/12

腕力:12

魔力:12

防御:12

俊敏:12


ユニークスキル:紙使い

Lv1:紙召喚

Lv2:?????

Lv3:?????

Lv4:?????

Lv5:?????

Lv6:?????

Lv7:?????

Lv8:?????

Lv9:?????

Lv10:?????


==============


「なんだよこのステータスの上昇幅。まさかずっとこんな上昇幅じゃねーよな?」


そう言いながら、俺は近くにいたモンスターを何体も狩って行った。


≪レベルが上がりました≫


==============

名前:エルク

Lv:5

職業:紙

HP:10/15

MP:0/15

腕力:15

魔力:15

防御:15

俊敏:15


ユニークスキル:紙使い

Lv1:紙召喚

Lv2:念写

Lv3:?????

Lv4:?????

Lv5:?????

Lv6:?????

Lv7:?????

Lv8:?????

Lv9:?????

Lv10:?????


==============


「畜生、マジで1づつしか上がらねえじゃねえか。あん?念写だ?詳細オープン」


☆手に持っている紙に、文字でも絵でも、思い描いたものを映し出す。


「ふっざけんな、くそじじいがーーーーーー!!!!俺に書士や似顔絵師でもやれってか、くそじじいがーーーーーー!!!!」


その日は叫び疲れた事もあり、街に戻って宿を探した。

途中モンスターのドロップ品を換金して、手持ちは銀貨2枚と銅貨20枚。

ボロ宿なら、素泊まり銀貨1枚といったところもあるので、一先ずボロ宿に泊まった。


「さてと、これからどーすっかな?とりあえず、明日は一旦、ギルドに顔を出してみるか」


一夜明け、俺はギルドに顔を出した。


「いらっしゃいませー……って、あなたエルクさんですか?今までどこにいたんですか?3年も消息不明ですでに死んでしまったかと思っていましたよ!?」


受付嬢の女性が俺を見ると目を見開いて驚いていた。

その人はエリーと言って、長い金髪に大きな目、胸が大きい訳ではないがバランスの取れた美しいプロポーション。

愛くるしい笑顔が特徴の優しい女性だ。

俺を担当する予定だった人だが、俺が1回目のクエストで死んでしまったので1回限りの担当だ。


「いや、ちょっと色々あったんだ。それより、俺はまだ、このギルドでクエストを受注しても大丈夫か?」


「そうですか。はい大丈夫ですよ。その胸のバッチがある限り、当ギルド冒険者です」


「そうか、よかったよ。じゃあ、Dランクでも受注出来てレベル上げも出来るクエストはないかな?」


「では、この辺はいかがでしょか?」


クエストはスライムやゴブリンなど、下級モンスターの駆除だ。

街で農作物に被害が出ている為の駆除依頼となっているが、駆除対象の数が少ない為Dランクでも受注出来るのだ。

冒険者ランクは下がDで一番上がSSSとなっている。

Sランク以上はドラゴンや厄災など、多大な被害の可能性を救ったものに送られるので、通常はAランクまでしか上がらない。

俺は新人の為、一番下のDランクだ。

俺は何枚かクエストを受注して、モンスター討伐に向かったのだ。


「仕方がないし、とりあえず少しでもレベルを上げるか。スキルは屑だしステータスは1づつしか上がらんけど、生活する為にもせめてCランクにはならないとな」


予定では職業”神”で無双予定が、くそじじいのせいですべてがパァだ。

最低でもBランクにはならないと、冒険者だけでは暮らせないので、一先ずCランクを目指す事にした。

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