第25話 何故か決闘に
「ほら、いい加減起きなさい、アホ勇者」
マロンはステータスが素の状態で勇者に何回もビンタをして起こしている。
まあ、能力上げてそれやると死んじゃうしね。
「んん…これ…は?なんで俺は縛られているんだ?」
勇者は起きて直ぐに暴れられるのも面倒なので、椅子に座らせ縛っておいた。
下半身丸出しは可哀そうなので、一応タオルはかけてあげている。
あと、リナが面白半分で勇者のパンツを勇者の頭に被せている。
うん、これ心折れないかな?
「おいマロン、さっさとこの縄ほどきやがれ!!」
そう言って勇者は縛られたまま立ち上がった。
あっタオルはかけてあるだけね。今のでまた丸出しだよ。
「勇者様、その下半身が…一度お座り下さい…」
勇者パーティー唯一の女性、究極魔導士のミラが勇者の下半身をチラ見し頬を紅く染めながら、勇者に座るように促し、座ったところで再度タオルをかけている。
「くそっ!これはいったい何だって言うんだ!!」
「アホ勇者、貴方が負けて暴れるのが面倒なので縛っただけですよ。想像通り暴れそうでしたし」
「なっ!俺が負けただと…」
「ええ、私にもそこのリナちゃんにも、手も足も出せずに完敗しましたよね。覚えてないんですか?」
「いや、そんな事あり得ない!あってはならないんだ!俺は勇者、世界最強の男なんだぞ!!」
「いえ、世界最強の男は、私のパーティーメンバーのエルクですよ。ちなみに世界最強の女性はレンゲちゃんです。貴方は、私たち四人の足元にも及ばない存在です。わかりましたか?なので私はわざわざ今より弱い、貴方のパーティーには戻りません。以上ですので、今後私にはかかわらないようにお願いします」
マロンはそう言うと、頭を深く下げていた。
「五月蝿い!!俺が負けるはずない!!お前ら何か卑怯な手をつかったんだろ!!おい、エルクと言ったな!俺と1対1で決闘だ!世界最強がどっちか、はっきりさせてやる!!」
「いや、別に俺は自分が世界最強なんて思ってないぞ。決闘も、正直めんどくさいんだが」
「五月蝿い!!お前は黙って、俺と決闘しておけばいいんだ!」
「はぁ、面倒な奴だな。マロン、こいつに加護を掛けてやって、縄を解いてやってくれ」
「良いんですか?このアホ勇者、負けてもまた、グダグダ五月蝿いだけですよ?」
「黙れクソ聖女!良いからさっさと、ほどきやがれ!!」
「はあ、本当に五月蝿いですね、アホ勇者は。エルク、少し待っててください。ここのギルドマスターを呼んできますので」
そう言ってマロンは部屋を出て、ギルドマスターの所に向かった。
その後5分もしないうちにギルドマスターと共に戻ってきた。
「みなさん、初めまして。ギルドマスターのローラです」
ローラと名乗るギルドマスター。
まだ20代前半ぐらいだが、物凄いオーラを発している。
圧が最初に来るので、少し引いてしまうが、見た目は至極美人だ。
真っ黒で腰あたりまである髪に、鋭い切れ長の目。
身長は150cm程度で小柄だが、圧のせいで随分大きく見えた。
うん、胸は…マロンよりはあるかな、マロンはAカップだからね。
「えっと、勇者様とエルクさんの決闘ですか?ギルドで行うので色々と決め事をいたしますね」
「すみませんローラさん、少し宜しいですか?」
「どうされました、聖女様」
「先程模擬戦とはいえ、私達のパーティーメンバーのリナちゃんが1対1で勇者に勝っています。リナちゃんをSランクに上げて頂けないでしょうか?」
「そうですね、映像クリスタにも残ってますし、リナさんが望まれる様でしたら特例でSランクに出来ますよ」
「ありがとうございます」
「さて、決め事に戻りましょう。まず勝利条件ですが、それはただ一つ、相手を戦闘不能にしてください。でも、決して殺してはいけません」
「私が加護をかけるので、誰も死ぬことは無いですよ」
「そうですか。では次に勝利後の報酬の件です。お互い何を望みますか?」
「そうだな、リナをSランクにして貰えるなら、俺とレンゲもしてくれないか?」
「そこのクソ聖女の絶対服従と、お前らパーティー全員での土下座謝罪だ」
「勇者様の要求は了承します。エルクさんの方ですが、エルクさんをSランクに上げるのは出来ますが、何もしないレンゲさんを上げることは出来ません」
「では、レンゲちゃんにも決闘をして貰えれば良いですか?」
「はい、ですが勇者様は既にエルクさんとの決闘がありますので、連戦は難しいのでは?」
「いえ、レンゲちゃんは後ろの五人と決闘してもらいます。1対5で構いませんので」
「勇者様のパーティーの皆様ですか?皆様は決闘に応じて頂けますか?」
「おにーさんに、おねーさん、受けてくれるよね」
リナが勇者のパーティーを見て、ニヤニヤしながら言う。
「「「「はい!」」」」
「そうですか、ではそれで進めさせて頂きます。ではまずは勇者様はズボンを履いてください。そうしたら決闘を初めて行きましょう」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます