第7話 聖女様と一緒にレッツパーリーです
「あっ、Bランクのアークゴブリンですよ」
アークゴブリンは通常コンボウしか持たないゴブリンが、鎧を身につけ剣を手に持っている。
ゴブリンに比べて攻撃も防御も格段に強くなっている。
「マロン、手は出すなよ」
俺は腰にある剣を手に取って、アークゴブリンを視界にいれ警戒する。
しかし、攻撃を仕掛けてきたアークゴブリンの速度が余りにも遅いので、サッと横に避けた後、手に持つ剣を横に薙ぎ払うと、アークゴブリンは身につけた鎧ごと、真っ二つに両断された。
「凄いな、ほとんど切った感触が無かったぞ。まるで豆腐でも切っているかのようだった」
「その感触、癖になりますよね」
「癖になるのはいいが、この旅は俺のレベル上げも兼ねてるから、マロンはなるべく手を出さないでくれよな」
「大丈夫ですよ、でも少しぐらいはいいですよね?」
「ああ、わかった。我慢出来ないんだな。少しだけだからな」
「はい、ありがとうございます」
道中、基本的には俺がモンスターを討伐していたが、ウズウズしているマロンもいたので、多少はマロンもモンスターを討伐していた。
マロンは既にレベル99で、これ以上のレベルは上がらないので、モンスターを討伐する必要もないのだが、マロンの衝動が止められないようだ。
それもひとえに、俺のバフ効果がキッカケだったので、そこまで強くも言えない。
Bランク以上のモンスターを圧倒しながら、時に楽しそうにマロンがモンスターを討伐しながら、2人でノービスに向かった。
「エルク、ノービスに着きましたよ」
「ああ、随分と賑やかな国だな」
「この国は漁業が盛んで、活気に溢れていますからね」
「そうか。この国でも、またマロンの部屋が貸し出されるのか?」
「そうですね。なので、まずはその件もありますので、王城に向かいますね」
街の大通りを進み、目の前には高くそびえ立つ城が目に入った。
「すみません、国王に会わせて頂けますか?私はこういった者です」
マロンはSランクのバッチとステータス画面の聖女を門番に見せ、中へ通して貰った。
聖女は世界で一人であり、魔王を討伐する事が出来る、世界でたった二人の内の一人だ。
そんな事もあり、聖女と勇者はこの世界において、最上級の扱いとされている。
「お初にお目にかかります、国王陛下」
そう言ってマロンが頭をさげるので、俺もそれに習い頭をさげる。
「頭を上げてください聖女様。隣におられる方は、お仲間の方ですか?胸のバッチを見る限り、Dランク冒険者のように見えますが」
「はい、私が仲間にお誘いしたエルクです。まだ新人冒険者にはなりますが、世界で一番頼りになる方です」
「新人冒険者ですか?確かに少し圧は感じますが、冒険者ランクは厳正にされているハズですので、Dランクの方が聖女様の助けになるとは、到底信じることが難しいのですが」
「確かにランクは低いのですが、エルクはこの1週間で、驚く程に強くなっています。この後冒険者ギルドにも行きますので、その時にはおそらくランクは上がるかと思います」
「まあ、聖女様が仰る事ですので、一国王である私が口を出すことではありませんが。それと、各国取り決めにより、聖女様・勇者様へのもてなしは最上級のものとなりますが、同行者様へ個別でのもてなしは出来なくなっています。ですので、部屋の貸出は聖女様だけとなりますが、よろしかったでしょうか?」
「ええ、構いませんよ。エルクには私の部屋に来てもらいますので」
「そうですか。ですがエルクさん、聖女様には絶対に手を出しては行けませんよ?そんな事があれば、我々はエルクさんを連行し処罰を与えなければいけなくなります。その事は重々お気を付けお願いしますね」
「はい、前に所属していたギルドでも、重々注意を受けておりますので、間違いが無きよう、ここに誓わせてもらいます」
「うむ。では聖女様、今後の旅もお気を付けてください」
話が終わると、俺とマロンは城を後にし、借りる部屋に向かった。
部屋に荷物を片付けた後は、この国の冒険者ギルドに行くことにした。
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