第6話 紙使いぶっ壊れ性能でした
「やっとここまで来たな。明日にはノービスに着けそうだし、今日はこの辺で野営するか」
「ええ、いいですよ。では私その辺の動物狩ってきますので、食事の準備お願いします。『光剣』」
マロンは光剣片手に、微笑みながら動物を探しに行った。
あれ、絶対戦士向きの性格だ。
あれは決して、聖職者に向いた性格じゃない。
「エルク、ただいま。今日は鍋にでもしましょうか」
マロンは右手に光剣、左手にはイノシシを引きずって戻ってきた。
「もおな、ツッコミは疲れた。マロンはそーゆー聖女なんだな。わかった、諦めた」
「何を諦めたのですか?」
「いや、何でもない。とりあえず鍋にするならサクッと調理しないとな。火はおこしてあるから、イノシシ捌くから、こっちに置いてくれ」
俺は、ちょちょいとイノシシを捌き、牡丹鍋を作った。
鍋を食べたら、お互いに見張りを交代しながら寝ることにしている。
多少の寝不足にはなるが、野営には危険もある。
ノービスに行けば、またマロンが国から部屋を貸し出して貰えるので、野営の間だけの我慢だ。
翌朝、見張りをしている俺の所に、眠そうに目を擦りながらマロンがやってきた。
「おはようございます」
「ああ、おはよう。眠そうだな」
「そうですね、野営が続くとどうしても寝不足になりますからね。でも、今までは一人でしたので、野営の間は常に気を張っていたので、今はエルクがいるので安心して寝られる時間があるので、だいぶマシですよ」
「そう言えば、マロンはソロで冒険者やってたんだったな。まだ聞いていなかったが、俺以外に仲間は啓示されてないのか?」
「今の所はエルクだけです。啓示も突然頭の中に浮かび上がる感じですので、いつあるかはわからないですからね」
「ふーん、何か不思議な感じだな」
「まあ、啓示はいずれ出るでしょうし、その時を待つのみです。それより、あと少しでノービスですので、朝食をすませたら一気に進みましょう」
朝食は旅に出る前に長期保存出来るパンを買って持ってきていたので、スープを作りパンと一緒に食べた。
「さてと、行くとするか」
少し進むと、早速モンスターのお出ましだ。
Cランクのオークが現れたので、俺は念の為にバフ効果の紙を破り、能力上昇に合わせオークを一刀両断した。
《レベルが上がりました》
==============
名前:エルク
Lv:15
職業:紙
HP:240/25(250)
MP:240/25(250)
腕力:25(250)
魔力:25(250)
防御:25(250)
俊敏:25(250)
(バフ補正値:残り28:10)
ユニークスキル:紙使い
Lv1:紙召喚
Lv2:念写
Lv3:発動式能力上昇札
Lv4:能力上昇札
Lv5:?????
Lv6:?????
Lv7:?????
Lv8:?????
Lv9:?????
Lv10:?????
==============
「ん?また能力上昇系なのか?やっぱり職業”紙”は支援系なんだな。でも既に10倍のバフ効果があるのに、これ以上何が起こるんだろうな?詳細オープン」
☆【能力上昇札】と書かれた紙にバフ効果を付与。
その紙を体の一部に当て『発動』と唱える事で全能力が100倍となる。
対象者:職業”紙”限定
「「100倍!?」」
うん、これちょっと、ないわー
支援系じゃないね、自身強化最強だね
「えっとー、エルク、なんですか、この馬鹿げた倍率は?」
「いや、俺もわからん。とりあえず作ってみるか」
そう言って能力上昇札を作り左手の甲に当て『発動』と唱える。
そうすると紙は消え、左手の甲には紋章が浮かんでいる。
「ステータスオープン」
==============
名前:エルク
Lv:15
職業:紙
HP:24000/25(25000)
MP:23900/25(25000)
腕力:25(25000)
魔力:25(25000)
防御:25(25000)
俊敏:25(25000)
(バフ補正値:残り25:35)
ユニークスキル:紙使い
Lv1:紙召喚
Lv2:念写
Lv3:発動式能力上昇札
Lv4:能力上昇札
Lv5:?????
Lv6:?????
Lv7:?????
Lv8:?????
Lv9:?????
Lv10:?????
==============
「うん、これ既にレベル99の勇者超えてるよね?」
「そうですね。人類で2万を超えるステータスは、過去全てを見ても有り得ませんね。発動式と合わせて、1000倍の効果になってますね」
「これなら、俺とマロンの2人だけで、既に魔王ぐらい余裕じゃないか?」
「いえ、エルクはともかく、私は10倍までしか上がらないので、他にも支援が居ないと決め手に掛けてしまいます。」
「んー、そんなもんなのか?まあでも、このステータスなら俺もSランクモンスターもいけるんじゃないか?」
「ええ、それに関しては問題ないですね。むしろ発動式が切れてもAランクモンスター位なら問題なく討伐出来ますよ」
「じゃあ、少し戻る形になるけど、もう1つのルートに行ってみてもいいか?少し俺のステータスでどのぐらい出来るか試してみたいから」
「いいですよ。どうせなら、私もバフ使って2人でモンスターを殲滅しましょう」
マロンは不敵な笑みを浮かべながら、スキップで高ランクモンスターがいる道へ向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます