第22話 勇者からの伝達

俺たちはさっそく、レンゲの考えたチーム名でパーティー登録をした。

そうだね、レンゲは俺をお兄ちゃん、マロンをお姉ちゃんと慕ってくれてるし、家族みたいなもんだよね。

リナも最初は奴隷商での出会いだけど、そんな事は関係ないよね?

むしろ、何も気にせず心をえぐりに来るし、こいつも家族みたいなもんだよな。


「お待たせしました。<ファミリエ>でパーティー登録が完了しました。パーティーリーダーはマロン様でSランクパーティーとして登録されています。これにより、他の三名もSランク冒険者と同等の待遇となります」


「私がリーダーで良いのでしょうか?確実に戦力的には一番劣ると思いますけど…」


「まあ、Sランクはマロンしかいないしな。他の誰かをリーダーにするとAランクパーティーになるし、マロンをリーダーにする以外無いだろ。というか、聖女がいるのに、他がリーダーとか出来ないぞ」


「僕は誰でも良いけど、まさか数日前まで奴隷商にいた身がまさかSランクパーティー所属になるなんて思ってもいなかったよ」


「うん、私も孤児院暮らしの事を考えると、Sランクパーティーに所属出来るなんて思って無かった。大切な家族よりも大事な人も出来たし。マロンお姉ちゃんがリーダーで文句なんてあるはずないよ」


「わかりました。私頑張りますね!」


「それじゃあ、パーティーも決まった事だし、次はイストルテを目指すか」


そう言って、俺たちはギルドを後にした。

ん?最近クエストをこなしてないないって?

いやね、その辺のモンスター討伐して、適当に売ってたらあり得ないぐらいの稼ぎになってね。

そりゃね、魔森で大量のSランクモンスターを討伐して素材売ってるからね。

今なら、メンバー四人が人生10回やっても余る金額が手に入ってる。

そんな状況で、わざわざ通常のクエストを受注する意味も無いしね。


そんな事を考えながら国を出ようとしていると、後ろからギルドの受付嬢のおねーさんが、胸を揺らしながら走ってきた。

うん、受付してる時は気づかなかったけど、結構あったのね。


「ハァハァ、すみません。聖女マロン様へ他国より伝達が来ましたので、お伝えに来ました」


「はい、伝達ですか?どなたからでしょう?」


「最果ての国【エンデシア】の勇者レオン様からです」


「さて、行きましょうか」


「「「「えっ?」」」」


「どうしました?」


「いや、伝達があるんだろ?聞かなくていいのか?」


「どうせ、くだらない内容だと思いますよ」


「あの…」


「ほら、受付のおねーさんも、せっかく走ってきたんだから聞いてやったらどうだ?」


「はあ。そうですね」


「ありがとうございます。ではお伝えしますね。《そろそろ魔王を討伐するから、勇者様御一行を再結成する。すぐに戻って来い》との事です」


「さて、あんなアホ勇者は無視して旅をしましょう」


「「「「…………」」」」


「なんですか、皆して。しょうがないですね、受付のお姉さん、アホ勇者へ伝達お願いします。《寝言は寝て言えアホ勇者。誰がアホの所なんて戻りますか。これからイストルテに行きますから、用事があるならアホが出向きなさい》でお願いします」


「「「「…………」」」」


「何ですか?」


マロンは満面の笑みで俺たちを見回す。

その笑み怖いっす。マジでパネェっす。


「伝達、承りました」


受付のおねーさんは、股の部分を手で隠しながら、お辞儀をして去って行った。

おねーさん、大丈夫。俺も少しチビったよ。

たぶんレンゲとリナも一緒だよ、お股に手を当ててるから…。

前にマロンも盛大にやってるし、ファミリエ改めてチビリーズかな。


そんなアホな事は一先ず置いといて、マロンにはトイレに行くと言って、そこで待ってて貰った。

あっ、レンゲとリナもトイレみたい。うん、やっぱりね。


俺たち三人はパンツを履き替え、マロンの元に戻ってきた。


「では、イストルテに向かいましょうね」


「「「おー!」」」

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