第38話 神界

「さて、じゃあさっそく神界へのゲートを開いてくれ」


「はい『ワープゲート』」


マリアが両手を前に出し唱えると、マリアの正面にゲートが現れた。


「主様、こちらが神界へのゲートになります」


「この中に入ればいいんだな?」


そう言って、俺たちはマリアを連れて、神界へ転移した。



「何故人間が神界にいるんだ!?」

「ここは神聖な神界。人間なんぞが来て良いところではない。即刻立ち去れ!」

「あれは落ちこぼれ女神か?何故人間何かを連れてきた!?」


神界に着いた俺たちに、神界に住む神々から様々な怒号が浴びせられた。


「いや、あんた達に用はないから、大神の居場所を教えてくれ」


「なっ!?大神様に何の用だ!?」

「お前たちの様な者がお会い出来るお方ではない!即刻立ち去れ!さもなくばここで排除する!!」


「もー五月蠅いなー。僕たちは大神に用事があるんだから、そこをどいてよ」


「お前はリナ!堕天使として能力を封じられ、地上に落とされたはず!何故貴様迄ここにいるんだ?」

「帰る気はないようだな。仕方がない、ここで排除させてもらう!」


そう言うと、複数の神々が俺たちに襲い掛かって来た。


「まったく、神ってのはなんでこんなに話を聞かないんだ。みんな、一応相手は神だ。殺さないようにな。あと、マロンは光鞭での拘束も頼んだ」


そう言って、俺たちは全員、最大のバフ・デバフを使用して、一瞬でその場にいた神々の意識を奪っていく。

意識の無くなった神から順に、マロンが光鞭で縛り上げ拘束し、近くの広場に寝かしていく。


「そう言えば、こんな奴らに居場所を聞かなくても、マリアとリナなら大神の居場所がわかるんじゃないか?」


「んーそこに行くにもゲートが必要だから、今の僕には行けないんだ」


「主様、申し訳ありません。私が行くことが出来るのは第四大神様の所だけになります」


「第四大神?俺を追放したっていうのは違うのか?」


「はい、序列1~25位の神の管理を第一大神様、26~50を第二大神様、51~75を第三大神様、76~100を第四大神様が管理しています。神は管理されている大神様の所にしか行くことが出来ません」


「そうなのか。じゃあ今捕まえた中に序列1~25位はいるのか?」


「はい。1名だけいます。現序列1位、破壊の神ヴェルがいます」


「どこにいるんだ、そいつは?」


「そこの倒れている中の真っ赤な髪の、露出度が高い黒のビキニのような服装の女性です」


マリアに特徴を聞き、それらしい神の所に近付く。


「こいつか?」


「はい、その女性が破壊の神、破壊神ヴェルでございます」


「じゃあ、とりあえず回復させて起こすか。マロンこいつを回復させてやってくれ」


そういって、マロンがヴェルに回復魔法をかけると、ヴェルは目を覚まし、いきなり叫んできた。


「てめぇら、人間ごときが何してくれてんだ!さっきは油断したが次はぶっ殺してやる!今すぐこの縄解きやがれ!!」


「いや、ぶっ殺すとか言ってる奴の縄を解くわけがないだろ?何で神って人の話を聞かなかったりバカな奴しかいないんだ?」


「うっせぇな!!いいから黙って解きやがれ、このクズが!!」


「主様、神は基本的には世界にとって絶対な存在となっています。余程の事が無い限りとがめられる事もありませんので、どうしても傲慢になってしまいます」


「まあ、とりあえずうるさいから、服従させるか『契約』っと」


「何しやがった、この野郎!!気安く触るんじゃねえ、ボケが!!」


「とりあえず、今後俺たちへの攻撃は禁止する。あと、これから拘束を解くから第一大神の所へのゲートを開け。あと、叫ぶな。」


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