概要
死なない君を死んでも守る。それが痛みのない僕のたったひとつの存在証明。
五年前、彼女の唾液によって僕は命を救われた。そうして僕は彼女の従者になった。五年間〈僕〉は〈俺〉として彼女と二人で暮らしてきた。一族郎党皆殺しにされた僕と、本人曰く家出をしてきた彼女の夢のような日々だった。
俺たちは異能によってこの国の防衛機能を担う秘密組織〈九頭龍家〉の人間だ。その次期頭領を決める戦いが開かれるという知らせが僕らの夢に終わりを告げた。僕も彼女も次期頭領なんかに興味はない。だが、次期統領候補筆頭である彼女の姉がこういった。
「よく聞きなさい、久遠。参加しないということは、彼を手放すということよ」
死なない彼女と痛みのない俺の平穏を賭けた戦いが幕を開ける。
俺たちは異能によってこの国の防衛機能を担う秘密組織〈九頭龍家〉の人間だ。その次期頭領を決める戦いが開かれるという知らせが僕らの夢に終わりを告げた。僕も彼女も次期頭領なんかに興味はない。だが、次期統領候補筆頭である彼女の姉がこういった。
「よく聞きなさい、久遠。参加しないということは、彼を手放すということよ」
死なない彼女と痛みのない俺の平穏を賭けた戦いが幕を開ける。
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