ホワイトデーSS〈未定の未来〉


ごめんなさい…当日には間に合いませんでした…

けどギリギリセーフですよね?ですよね!?

という事でホワイトデーSSの投稿です。

こうして前書きを入れさせてもらったのは、今回のお話が多くのネタバレ要素を含んでしまっているので事前に注意をさせて頂こうかなと。

メインストーリーは学園入学直後という事で、ホワイトデーを迎えるにはほとんど丸々1年必要ということになってしまいます。つまり今回のお話は現状のメインストーリーから約1年後という訳ですね。

また、タイトルにもある通り今回のお話は未定の未来となります。メインストーリーが進むにあたって全部が全部このSSの様になるとは私自身断言できません。ご了承の程お願いします。

また、小説のセルフレーティングで"性描写あり"となっているのは一応の保険のつもりなんですが、今回のSSでは性描写にも軽く触れています。

ネタバレ含め性描写が苦手な方は読まない事を強く勧めます。

それでも読みたい!と思ってくれる方は、ぜひ読んでみてください。この作品の行き着く先、その可能性の1つが読めると思います。


では、長くなってしまったので前書きはここまで。


───────────────────────


───どうしてこうなった?


「あばばばばばばばば」


「ハルちゃん!?」

「春乃!?」

「春乃ちゃん!?」

「春乃さん!?」


───意識が段々と遠のく。


───潤み霞んだ視界の端で、顔を青くしながら慌てる私の愛する恋人達・・・


───清楚な見た目に反してヤバいタイプのメンヘラを拗らせている奏。


───強気な印象を受けるのに私からのお仕置きを何よりのご褒美とするドMの祈織。


───誰よりも明るくて皆に優しいのに何故か私だけえっちな悪戯で虐めてくる小悪魔の詩音。


───見た目は幼女、中身はママ。合法ロリなうえにバブみまで感じる紫。


───あぁ…皆、愛してる。


◇◆◇


今日は3月14日。


世の男子と女子が一斉に浮き足立つバレンタインデーからちょうど1ヶ月。夢みる乙女のプレゼントへお返しをする騎士達の祭典。


その名もホワイトデー。


同じ様にお菓子を返したり、人によっては思いを綴った手紙を添えたり、消費のしやすい日用品などを送ったり。


もちろん友情関係が先行する場合もあるが、ほとんどの場合が温かく淡い気持ちをプレゼントに乗せて送る日。


そんな日に多くの例に漏れずバレンタインデーのお返しとしてお互いの気持ちを送り合う恋人達がいた。


ただ……ほんの少しだけその形が珍しいが。


「まずは私から。はい、ハルちゃん。バレンタインデーのお返しですよ!手作りチョコです!」


「わぁ!ありがと、奏!………で、今回は何が入ってるの?」


「…何も入ってませんよ?強いて言うなら大部分がハルちゃんへの愛情ですかね」


「…髪の毛?」


「も〜、そんなのは入ってませんよ」


「…よだれ?」


「だからぁ、入ってませんって───」


「…愛液?」


「…………どっちにしろ私の抱くハルちゃんへの愛情が生み出したものですし、嘘はついてないので何の問題はありませんね♡」


「問題大ありだよ!!………まぁ、奏から貰ったものだし食べるけど…」


「っ!ハルちゃん、愛してます!」


「はいはい、これのせいで体調崩したらちゃんと看病してね?」


「もちろんです!体調と言わず、この後の人生全てサポートしますよ!ふふ…とっておきの媚薬も混ぜましたし、夜が楽しみですね」


「ん?奏、最後なんて言ったの?」


「愛してるって言いました!」


「そう?」


はぁ…まったく、奏は油断も隙もない。


恋人関係になった今も、なる前も。奏に貰う贈り物は必ず奏由来の何かが混入していたし、生活リズムに生活範囲…ありとあらゆる私の情報を調べ上げて纏めていた。


奏はストーカー基質のあるメンヘラだが、まぁ、私を愛するが故だと思えば、これほど嬉しいことも無い。愛されてるんだと実感出来るし、どれだけ愛しても受け止めてもらえると安心出来る。


「そ、その…次は私よ。私には上手くチョコとかお菓子は作れなくて…ごめんなさい」


「え、なんで謝るの?祈織、私はね…祈織がくれる物ならなんだって嬉しいよ」


「…そう?なら良いのだけれど。私からは…はい、チョーカーよ」


「おぉ、ネックレスとかイヤリングとかはよく聞くけど、チョーカー!中々珍しいチョイスだねぇ、でも嬉しいよ!ありがとう祈織!」


「なら良かったわ。ほら、春乃ってモテるから…春乃は私の、私達の恋人なのよっていう目印が欲しくて」


「ふふ、祈織も奏みたいに私の事束縛したいの?」


「ち、違うわ!ただ…その…いつか、いつかでいいのよ?私も春乃の物だっていう証明が貰えたら嬉しいなって思ってたから、それで、思いついて…どうせならって…」


「へぇ〜、そっか」


なるほどなるほど。…私は祈織に近づき、彼女の耳元で彼女にしか聞こえない声で囁く。


「なら今度、一緒にチョーカーを……ううん、祈織専用の首輪を買いに行こうね。祈織は一生私のものだっていう証だよ」


「ひぅぅう!?」


「もしかしてイっちゃったの?」


「いや、違っ!」


「ほしがりさんの変態だね。まったく…気持ちいのは夜までお預けだよ」


「は、はぃ…」


いつもは凛々しい顔が、私の言葉で真っ赤に染まる。むふふ、やっぱり祈織を虐めてるとゾクゾクしてきちゃう。


それが可愛くて愛しくて、私だけの祈織なんだって愛情が溢れてくる。与える私も、与えられる祈織も…2人だから意味がある。


「おぉ…春乃ちゃん、レベル上げたね」


「ふふん、そうでしょ。私は祈織に貰ってばっかりだから、祈織が求める事をしてあげたいの。貰うだけじゃ嫌だからさ」


「それは皆一緒だよ?もちろん、私もね。はい、私はジルスチュアートのネイルラッカーとアナスイのリップグロス。私とデートする時に使ってね♡」


「えっ、本当に!?うわ、うわっ…ありがと!うんうん、詩音とのデートの時には絶対に使う!!」


「んふ、喜んでもらえて良かった。後ね──」


私が祈織にしたのと同じ様に、詩音が私に近づいて耳元で囁く。


「えっちな下着も買ってあるから、後で試そうね」


「はひっ……ぅん」


「すぐに脱いじゃう事になるかもだけど」


「…いっぱい、気持ちよくしてね?」


「気絶するくらい気持ちよくしてあげるよ」


私達がこういう関係になってだいぶ時間が経つが、何度しても恥ずかしいものは恥ずかしいし、嬉しいものは嬉しい。


お互いの全部をさらけ出して、全部を受け止める。恋人とするのが気持ちいというのもあるけれど、気持ちいだけじゃなくて心が満たされる。


身も心も満たされる。私も皆も、すっごくえっちな女の子になってしまった。


「はいはーい、最後は私ですね!私からはオシャレなステーショナリーを幾つか見繕ってきました!教師っていう立場上学校ではあんまり近づきすぎる訳にもいかないので、春乃さんに私の送った物を授業中とかに使って貰えたら嬉しいです」


「わぁ〜!すっごい、どれも可愛いよ紫!」


「ふふふ、良かったです。勉強捗りそうですかね?」


「もちろん!あのね…成績上がったら、いっぱいよしよししてほしいな…それと、ギュッてしてほしい」


「えぇ、もちろんいいですよ。あと、これは春乃さんだけじゃなくて皆の分になるんですけど…じゃーん、チケット付きパークホテル in ディズニーランド〜!」


「うぇぇ!?すごいすごい!嘘、本当に!?」


紫が私達全員に見えるよう、予約したホテルのページを表示させたスマホを向けてくる。


そこには5人分の宿泊予約がされた画面があった。


「私はちょっと変装しないとですけど、この5人で一緒に行きましょ!それとなく皆の都合が合う日を調べるの大変だったので、私自身も楽しみです〜」


キャーキャーと姦しく騒ぐ女子高生組を見てニコニコと紫が嬉しそうに微笑んでいる。いつもは紫と体裁上あまり外でイチャイチャ出来ることは多くないが、変装もして、みんなでオシャレして、一緒にディズニーランドに行く。嬉しくて嬉しくて、皆で抱き合った。


「うぅ…みんな、ありがと!バレンタインデーのお返しすっごい嬉しい!」


「ハルちゃんが喜んでくれて良かったです」


「えぇ、そうね。春乃の喜びは私達の喜びだもの」


「うんうん!春乃ちゃんが笑顔になってくれるならそれが最高!」


「私も今までの分が返せて良かったです」


「でも、意外にもチョコを返すのは私だけなんですね。せっかくですしハルちゃん、ぜひ今食べてみてくださいよ!」


「え?あ、うん。いいけど……うん、奏の作ったチョコはやっぱり美味しいね!ちょっと特殊な味がするけど、まぁそこは気にしな……い?あ、あれ?」


「「「「ふふふふふふふふふふふ」」」」


「皆さん、作戦決行です!即効性なのでハルちゃんはもう既に臨戦態勢ですよ!!」


「いっぱい、気持ちよくしてね?春乃…」


「いっぱいイかせちゃうんだからね。春乃ちゃん!」


「たまには私も本能の赴くままに…春乃さん、覚悟してくださいね」


「うぇ?な、なんか体の奥が熱く……はぁ、はぁ」


「「「「突撃ぃぃぃい!!!」」」」


「あばばばばばばばば」


「ハルちゃん!?」

「春乃!?」

「春乃ちゃん!?」

「春乃さん!?」


「あ、もしかしたら媚薬入れすぎたのが良くなかったですかね?入れた分だけハッスルしてくれると思ったのですが…」


「えぇ!?何してるのよ!」


「春乃ちゃん、気持ち悪くない?大丈夫?」


「あわわわ…きゅ、救急車!」


あぁ…ぼーっとする。でも、嫌な気分じゃない。


あれ?ドキドキが止まらない。


お腹が…アソコがすっごい熱い。


今すぐ皆を───


バタタッ……


「「「「え?」」」」


私は4人の恋人達をベットに押し倒す。


「アハッ、今日は寝かさないよ?」


「やっべ、やっぱり媚薬入れすぎちゃいました♪」


「おいぃぃ!?」


「奏ちゃん!?「やっべ」とか言ってる場合じゃないんだけど!?」


「初めて押し倒されちゃいました……春乃さんが性欲モンスターに……私はそんな春乃さんも受け止めてみせます!」


♡♥♡


「「「「「あん…あっ…いぅぅ…」」」」」


どこまでも清らかで、果てしなく淫らな夜が更けていく。体の境界線が無くなって、互いの体液に塗れていく私達……………………


♡♥♡


「んぁ…?あれ、朝…?」


私はごしごしと目を擦り、カーテンの隙間から射す太陽の光に目を細める。


朝起きたら皆が裸でぐったりと寝てるんだけど、何があったんだろう?うーん…思い出せない。まぁきっと、そういう事をして疲れてるんだよね。


ふぁ〜……二度寝しよ。

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