刻む律動、飛び跳ねる鼓動:2


前話の前書きでも言いましたが今回は少しえっちな感じです。生々しすぎる程ではないはずなので気になる方は読んでくださると嬉しいです。


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「「「お邪魔します」」」


「お、お邪魔されます?」


寮に来る前に寄った学園内にあるコンビニでお菓子やら飲み物やらを皆で買い、それを持ち寄って私の部屋で小さなパーティーを開くことになった。


ドアを開けて先に中へ入り皆を迎える。


ガサガサとコンビニ袋の音を立てて私の部屋に入る3人を私はどういう言葉で迎えるべきなのだろうか。難しい。


「とりあえず…」と買ったものを机に置きブレザーを脱いで楽な格好になる。全員分のブレザーを受け取って壁にかけると、その…変態チックに聞こえてしまうが恐ろしい程に良い匂いがした。


なんかこう…胸いっぱいというか、肺全体で吸い込みたくなるような感じ。


「いやぁ、初めて他の人の部屋に入ったけど同じ寮だから正直変わんないねぇ」


「あれ?阿澄さんも寮なの?」


「うん、そだよ」


「ちなみに私もそうね。階は違うけど」


「私もです」


「えっ、皆寮生だったんだ」


どうやらここに居る全員が同じこの寮で生活しているらしい。なら、部屋の構図や内装も大して変わらないのは必然だ。


キョロキョロと少し辺りを見回してみたが座る場所が硬い床かベット位しかない。どうしよう…と私が考えていると、ぼふっとベッドの上に阿澄さんが寝っ転がった。


「えっ!?ちょっと、何してるんですか!?」


「えー?いやぁ、座る場所無いしー、ベッドで良いかなぁ?って〜」


「なんて羨ましい…」


「恐ろしい行動力ね…」


阿澄さんの突然の行動に驚く私と唇を強く噛む奏、カッと目を見開く祈織さん。なんだか一瞬変な空気にはなったけど、確かに座る場所で他に良さげな所は無いからと全員でベッドに腰を掛けた。


丸テーブルをベッド横に寄せてお菓子を並べパーティー開けし、オレンジジュースやコーラ等がそれぞれの紙コップに行き渡ったところで奏が声を出す。


「では…この度はお集まり頂きありがとうございます。これから友人として仲良くして貰えると嬉しいです。乾杯」


「「「乾杯!」」」


たくさんのお菓子や飲み物を楽しみつつ、ワイワイと皆のこれまでを話した。小学校時代はどんなふうだったとか、私と奏の関係性だったりとか。


後は私の中学時代についても軽く触れた。今とは全然違う事も、奏の知る小学校時代とも違う事を話していく。


どこか私にとってコンプレックスに近い内容で言うかどうか迷ったが、今との違いから嘘をついているみたいで嫌だったのだ。


その反応が…


「それがどうかしたんですか?あ、祈織さんオレンジジュースを取ってもらっても…」


「へぇ〜、そうだったのね。はい、どうぞ」


「うわ、ピーナッツゲソ味のポテチまっずー!おもしろーい!」


「興味無し!?」


なんか覚悟して話した自分が馬鹿みたい…でも、すごくスッキリした。昔の自分より、今の私を受け入れて貰えてるんだって思える。


すると胸の内で刻む律動が段々と早くなり、心が嬉しさに飛び跳ねているんじゃないかと錯覚するほど鼓動が高鳴る。


「…?…?」


ドキドキして少し苦しいくらいなのにキュッと理由の分からない気持ちよさが私を支配した。なんだろう…これは、なんなのだろう。


「ハルちゃん、どうかしましたか?」


「へ!?い、いや、なんでもないです…」


その後もお菓子を食べジュースを飲み、全員のこれからとこれまでを話した。


そんな楽しくて幸せな時間はあっという間に過ぎていく。ふと時計を見れば夜の8時を回っていた。カーテンの隙間から外の様子を伺っても完全に真っ暗で日が落ちきっているのが直ぐに分かる。


「あの、もう結構遅い時間だけど…」


「ふふ、ハルちゃん。その辺については問題ありません。管理人さんに昨晩・・の内に確認を取ったところ同寮内の同性であればお泊まりも可能だそうです。ただ連泊はやめるようにとの事でした」


時間を気にした私に奏がもちろん確認済みですも寮内の夜間行動について話した。何故かドヤ顔でリュックサックを抱きしめながら。


「もちろん私のリュックには……このように必要最低限ですけどお泊まりセットに着替えが入っています!」


「っ!?私も今すぐに取ってくるわ!!」


「おー?じゃ、私も取ってこよー」


「えぇ!?ちょっ…!」


そこからは驚く程に早かった。


奏に習って2人とも自分の部屋から着替えやそれぞれのケア用品を持って来てお泊まりの準備を始める。私の目の前でパッと切り替わっていく状況に私は半ば置いてけぼりにされながら…諦めてその場の流れに身を任せることにした。


◇◆◇


「はぁ〜……」


広めの浴槽に張ったお湯に肩まで浸かると自然と変な声が出る。じわぁ…っと指先から体の芯まで温まってその日の疲れが抜けていった。


──たった2日、まだ2日。されど2日。


私の人生において最も取り巻く環境が変化した2日だ。親元を離れて寮生活、広々としたお風呂やベッドに妹が忍び込んでこない解放感、そして3人のお友達。


今日は金曜日で明日は土曜日、学園は休みだ。それもあって可決されたお泊まり会も時間が遅くなればお風呂に入る頃になる。


部屋の主なのだからと3人が私に一番最初に入れと力強く言い、いつの間にやらお風呂場へと追いやられた。


そうやってお風呂に入る事になり今は髪と体を洗い終えお湯に浸かっていたのだが…


ガチャッ…


「お邪魔しま…ん"っ、鼻血出そうです…」


「……(だらだらだらだら)」


「春乃ちゃ〜ん、おじゃま〜」


「皆なんで入ってきてるの!?てか、祈織さん!仁王立ちしてないで!鼻血出てる!」


「申し訳ないのだけれど今は近づかないでもらってもいいかしら。鼻血が余計に止まらなくなるわ」


「凛々しい顔してそんな事言わないで!?ていうか皆色々隠して!」


3人の真っ白な肌が一切隠されることなく私の眼前に晒されている。スラッとしていつつ肉付きもしっかりしていて胸や秘部が何にも覆われていない。


まずい、まずい。見ないつもりなのに視線が勝手に引き寄せられる。大人びた中にどこかまだ幼さを見せる容姿とは違い確実に大人になっている部分。


白く柔らかな膨らみも、桜色の小さなそれも、他よりも強く性を感じる下部も艶やかで────


「はぁ…はぁ…ん…」


「…ハルちゃん?」


♡♥♡


どうしてこうなったのか。


それはたぶん、私の体がそういう気分を受け入れてしまったからだ。


「ま、待って…!んっ、いやぁ…あぅ…」


3人の肌を見てどうやら私の体が反応を示したらしい。所謂、発情というものだろう。3人のしなやかな肢体に釘付けになり、ドキドキが止まらず吐息が熱を持ち、瞳が蕩けた。それが自分でも自覚出来てしまう程に。


そんな私の状態を見逃す奏と祈織さんじゃない。サッとお湯で体を流して私と一緒の浴槽に身を沈める。なにやら察したらしい阿澄さんも面白半分、興味半分で2人に続いて入ってきた。


それからは3人がそれぞれ私の体に触れ始める。手が触れて次第に絡まり胸元を腕に寄せて絡まるようにしてくっつくと太腿を擦り寄せた。


「待ちません…いいえ、もう待てません…ハルちゃん…好きぃ…」


「春乃も本当は嫌じゃないんでしょう?触れれば分かるわよ…」


「なんでかなぁ〜…私も、変な気分になってきちゃったかも」


暖かいお湯と一緒に3人の滑らかな手が私の肌に触れていく。円形で広めの浴槽といえど一緒に4人も入れば肌はその境を無くした。


この世の何よりも柔らかくて蠱惑的な香りを放つ彼女達が、私の体に纏わりつき理性すらも喰らい尽くす。


しなやかな指が、絹のような肢体が、扇情的な吐息が。全部が全部、恐ろしい程に───


私の鼓動を高鳴らせる。


「あっ…ハルちゃんの胸、すっごいドキドキしてます…」


奏の柔らかい手のひらが横から私の胸に触れ優しく包み込む。


「春乃…んっ、あむ…ちゅ〜…」


祈織さんが後ろから私の首筋に舌を這わせ唇で強く吸う。


「春乃ちゃん、お湯の中じゃなかったらココ…どうなっちゃってるかな?ねぇ?どう?気持ちいいの?皆の前で恥ずかしい?」


阿澄さんの細くて長い指が前から私の下部を撫でた。


「ひゃ…んんっ、あっ、あっ…いっ…」


私自身が聞いたことの無い私の声が浴室に響く。元気な声でも悲しい声でも無い、ただただ艶を感じさせる女の声。


「「「はぁ…はぁ…」」」


興奮が、伝染する──────

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