入学式:1


──なんで私がヒロインに告白されてるの!?


◇◆◇


時は少し遡り、入学式当日の朝。


「よし、完璧!」


私は今日の髪型を決め、薄くメイクをし、しっかりとアイロンのかけられた可愛い制服に身を包む。今日から私は白椿学園に入学する高校一年生だ。


私の入学する白椿学園は進学校であり勉強に力を入れていると同時に、スポーツ分野であったり、エンタメ分野、技術分野にも門を開く複合型の育成機関となっている。


それぞれの分野が部活動として活動しており、結果は重畳。スポーツは多くの部が全国大会常連校で、芸能界に席を置く生徒も在籍、将来技術者として就職する者も少なくないらしい。


世間的な認識で進学校と聞くと、勉強ばかりでそれ以外には物珍しいものは無いんじゃないの?なんて思う人がいるかもしれない。


実際、私の進学校に対する最初の認識もそうだった。


が、この学園は成績を著しく落とすようなことがない限り、幅広い分野で融通が利き、学園が認めた管理者が管理徹底をする事を条件に数多の活動が認められているのだ。


その最たる例が芸能活動だろう。


芸能活動をするにあたって、多くの場合は勉学が生活リズムに合わず、追いついてこなくなってしまう。結果、留年や転校、果てには自主退学に…なんてことも。


しかし、この学園においてそれは有り得ない。


学園自体が母体となって運営する芸能事務所が部活動として存在するからだ。


その部に在籍している限り学園側が仕事内容、仕事量を調整・管理することになる。さらには芸能活動時間外においての勉強内容や量も調整し、部活単位、個人単位での指導時間を儲けてくれている。


よって、酷な活動を強いられることなく、勉強時間も十分に確保され、指導も行き届く。さらには卒業後も事務所に在籍する事が可能で、場合によっては部活動の指導者として学園側に就職出来る。


そして最終到達点として、芸能活動を行っている生徒による、学園のプロモーション。


生徒は自分の夢を叶えつつ高い学力水準を満たし、学園側はその結果得られる認知度や実績、願書の数で満たされる。


まさにwin-winの関係だ。


「あっ、やば。もう家を出ないと」


行ってきますと親に声をかけ、ローファーを履いて私は家を出た。

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