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キャサは私に暇をくれた…私は素直に頷いた。
ミスズは幸せになれたのだろうか?
彼女の願いは許される事…死を持って許しを乞うた。
許されたと思わずにいられない。
幸せって何なのか?
生きるって何なのか?
考える時間が欲しかった。
そんな事はくだらない考えで、時間の無駄だと思う。
それでも考えずにはいられない。
アフリカの難民は1日で約千人が亡くなっている。
日本で自殺者は1日100人。
(2019年)
だけど実際に身近に、[死]を接しないと、[死]の辛さや怖さや不安は体感できない。
人は死ぬ…必ず死ぬ。
誰かが言ってた…世界は不安定で確定したモノはないが…始まりがあれば終わりがある…これだけは確実なモノだと。
ミスズは何かを残しただろうか?
この世に生きた証…もちろん私の心には残る。だが記憶の中に。私が死んだら証も消える。
私は身近な死をもって誓いを立てた。
絶対に生きてる間は生きる…自分らしく!
そして証…子供が欲しくなった。
私の生きた証。
子供…ミスズの死からの思い付き。
頭に一度芽生えた想いはなかなか落ちなかった。
好きな人はいない…誰かの子供が欲しいわけじゃない。
私の子供が欲しい。
子供の親が女王様じゃ可哀想。
違うまともな職業につかないと…子供育てるにはいくら稼げばいいのか…そこまで考えてしまう。
いつの間にか私は子供を産む気になっていた。
とにかく色々な人と出逢うようにし、今まで断っていた仕事…地方遠征やサイン会も受けるようになった。
まだ見ぬ私の子供の為に。
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