.24
仕事が終わってからステラマリスにご飯を食べに行った時の話。
ユダがお水とチャーハンを持ってきた。
スプーンを手にした…チャーハンを口にする。
ユダの作るチャーハンはいつ食べても美味しい。
美味しさの秘訣を聞いた事がある。
ユダは[愛情を入れてる]と真顔で言った。
[料理も人付き合いも人生も愛情が秘訣さ]と付け加えた。
私には愛が分からない。
皆、自分が一番…自分さえ良ければ…とまでは言わないが、自分が一番愛していて、他は全て二番目に愛してる。
愛は自分の為にある。
くだらない考えは要らない。
私にとっては…チャーハンが美味しい…それだけが今の全て。
[SMは面白いかい?]
ユダは聞いた。
私はチャーハンを口にほおばっていたので、数回うなづいて笑って答えた。
[どこら辺が?]
ユダの質問。
その質問は自分自身にも問いかけた事があった。
[私は何故、SMが面白いのだろう…]
その答えをそのままユダに言った。
[Mな子の最高の幸せを与えられるし、観客の望む最高の幸せを与えられる…私も最高の幸せをもらえるから]
私は話し続ける。
[幸せって、自分の一番欲したいモノを得られた時よね]
[奇麗事かしらね?]
私は逆にユダに聞いた。
ユダは言った。
[愛する幸せと愛される幸せ…幸せの一致が、幸せを何倍にも増幅される]
[エスとエム…愛すると愛される…全くの対極が一致する時に人は幸せになれる。他にもあるよ…何だと思う?]
ユダもまた私のメンター…尊敬対象の一人だった。
スプーンを置いて考える。
[正反対にあって、それが重なったら幸せになれるモノ…]
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます