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仕事が終わってからステラマリスにご飯を食べに行った時の話。


ユダがお水とチャーハンを持ってきた。


スプーンを手にした…チャーハンを口にする。


ユダの作るチャーハンはいつ食べても美味しい。


美味しさの秘訣を聞いた事がある。


ユダは[愛情を入れてる]と真顔で言った。

[料理も人付き合いも人生も愛情が秘訣さ]と付け加えた。


私には愛が分からない。


皆、自分が一番…自分さえ良ければ…とまでは言わないが、自分が一番愛していて、他は全て二番目に愛してる。


愛は自分の為にある。


くだらない考えは要らない。

私にとっては…チャーハンが美味しい…それだけが今の全て。


[SMは面白いかい?]

ユダは聞いた。

私はチャーハンを口にほおばっていたので、数回うなづいて笑って答えた。


[どこら辺が?]

ユダの質問。


その質問は自分自身にも問いかけた事があった。


[私は何故、SMが面白いのだろう…]


その答えをそのままユダに言った。


[Mな子の最高の幸せを与えられるし、観客の望む最高の幸せを与えられる…私も最高の幸せをもらえるから]

私は話し続ける。

[幸せって、自分の一番欲したいモノを得られた時よね]

[奇麗事かしらね?]

私は逆にユダに聞いた。


ユダは言った。

[愛する幸せと愛される幸せ…幸せの一致が、幸せを何倍にも増幅される]


[エスとエム…愛すると愛される…全くの対極が一致する時に人は幸せになれる。他にもあるよ…何だと思う?]


ユダもまた私のメンター…尊敬対象の一人だった。

スプーンを置いて考える。

[正反対にあって、それが重なったら幸せになれるモノ…]

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