.13

着いたところはマンション。


私はキャサの後ろを黙ってついていく。


エレベーター…キャサが口を開いた。


[恵美…いい。人は解放されている時は、気持ちいい時なのよ。でもなかなか自分で解放する事はできないの。だから私達が解放してあげるのよ]


私達…女王様達。


504の部屋…名札はない。

キャサはノックを2回し、勝手にドアノブを回した。

ドアは開いていた。


[あなたの女王様よ]


廊下の角から女が現れた…裸で四つん這いだった。


[お帰りなさいませ。キャサ…]

彼女は言いながら顔をあげた…私と目が合った。


彼女は小さな悲鳴をあげ、うずくまった。

[見ないでください]

小さな声だった。

必死に乳房やお尻を隠そうと体を丸めた。


キャサが言った。

[私の大事なお客様なのよ。いつも通りにしなさい。失礼でしょ]


彼女は言う事を聞かなかった。


キャサはドカドカと音を立て歩き、彼女のすぐ近くに近寄り両手を腰に添えて仁王立ち。


[私の言う事、聞けないの?]

厳しい口調だった。


[立ちなさい]

有無を言わさない命令だった…彼女は震えながら立ち上がった。


彼女は、お金持ちと結婚した…ユウコと名乗った。


ユウコは壊れてた…キャサが壊した。


このマンションは彼女の旦那の持ち物。


キャサは最初から最後まで命令口調だった。


私も彼女を触った…キャサの言うがままに従った。


つまり私は道具にされた…もちろん勉強の為に。



[最初から壊れてるのよ…この子は]

キャサの言った言葉だけがリアルだった。


ユウコは恥ずかしがり、悶え、そしてイッた。


キャサと私は着た時と同じ服を着たままでマンションから出た。

ヨウコは最初から最後まで一糸まとわぬ裸体のままだった。


時計の針は来た時から、2時間位進んでいた。


車に乗り座り込んでから私のパンツが濡れていた事に気付いた…。


キャサがタバコに火をつけながら聞いた。

[あなたはどっち側にいた?]

…つまり、ユウコ側かキャサ側か…。


私は答えた…[両方]


キャサは満足そうに笑みを浮かべ、タバコをふかした。

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