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お客が何組か増え、店ががぜん活気を増した。
それとともにユダもトオルも女の人達も、慌ただしく動き回っていた。
私はカクテルを作ってるユダに声をかけた。
「あの…手伝いましょうか?」
ユダは手の動きを止めずに、言った。
「したい事していいよ」
私…カウンター内に入り、流し台にたまっている汚れた食器を洗い始めた。
お客は次々とドアを開け、いつしか満席になった。
一目でオカマと分かる男…おじさん?お姉さん?
私を見つけて言った…「あら?ニューフェース?」
ボックスで違う客を相手していたトオルが声をあげた。
「おう。オカマだ。可愛いだろ?」
皆…私を見た…笑い声があがる。
私はオカマになってしまった。
気がつけば夜中12時を回っていた。
お客はカウンターにオマカが1人…ユダが付かず離れず相手している。
手前のボックスに2人のオカマ。
白いドレスの女…まず間違いなくこの店のママ。
私に近づいて声をかけた。
「ごめんなさいね。でも助かったわ。これから3時まで落ち着くわ」
普通は今が忙しい時間帯なはず。
ママの言った通り、暇になった…トオルが黒服に着替えて私の隣に座った。
「ここでバイトしろ…なんて言わないからね」
トオルは座るなり言った。
私はてっきり、ここで働くもんだと思ってた。
トオルはニヤニヤと笑ってる。
ママが私の隣に座った。
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