42 夢の解釈(13)

 返事が遅くなってすまない。近頃ではなんだか頭がぼんやりして、以前のように論理の糸を整然とたぐりよせることが難しくなってきているようである。どうも肉体労働というものは、ぼくの性に合わないね。できれば前の作業場に戻してもらいたいのだが、仕事を選ぶ自由などいまのぼくにあろうはずもない。朝起きて、疲れて、眠る。ただそれだけの毎日だが、むしろそれが普通のことなのかもしれない。ぼくも、きみも、恵まれた環境にいたわけだよ。最近のぼくは、複雑に絡んだ問題の糸を解きほぐすよりも、疲労した筋肉のコリをほぐすことに心を砕いている。少なくとも、もうしばらくは、複雑な思考はお休みしたほうがよさそうである。

 このように書くと、またすぐきみは、ぼくに医者に行けとうるさく言うに決まっているから、たまには先手を打って、いちど医者に診てもらうことにしよう。医者はたぶん、疲れがたまっているだけだと言ってぼくを追い返すだろうが、ビタミン入りの注射でも打ってもらえば、気休めとはわかっていても、人間の脳なんて手前勝手なものだから、ありがたい薬を受け取ったと錯覚して、たちまち元のように元気を取り戻すことだろう。今日は眠いのでこれで。お体に気をつけて。それでは。

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