七本でもいいじゃない!

 あるところに、七本のシッポをもった、ネズミがいました。


 ネズミがパーティーにでかけると、みんなが大わらい。




「七本も! シッポがラッキーセブンて、どないやねん!」




 どっ!




 口をそろえて、ネズミをからかいました。


 ネズミはくやしくてしかたがありません。


 そこで、トコヤへ行って、シッポを一本切ってもらいました。




「どや!」




 ネズミがパーティーに行くと、またみんなが大わらい。




「六本! 六本のシッポやて! こらかなんでえ!」




 と、口をそろえてネズミをからかいました。




「ムッ」




 ネズミはトコヤへ行って、もう一本、シッポを切ってもらいました。




「どや!」




 どっ!




「ネズミがシッポ五本て! こら、ケッサクやな」




 ついに、ネズミはシッポを一本ずつ切りおとして、パーティーに行きました。


 ところが、何本切っても、みんながからかいます。




「むっふっふ。これでもう、からかえまい!」




 どや!




 ネズミは全部のシッポを切って、パーティーに行きました。


 すると……。




「プッ! シッポがないネズミやて! プププーッ」




 みんなは、なおさらネズミをからかいました。


 ネズミは、家に帰って、大泣きに泣きましたとさ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る