「お前のジョブは『蟲使い』だ」

「蟲使い……戦闘にも生産にも向かないジョブだもんなぁ」

「お前は冒険者の底辺すらこなせないんだってさ！」

「それがエリック・ホワイトと呼ばれる存在だ」

「ねえ、貴方の名前はなんていうの？」

「だからイイよ。あーしのカラダ、好きにしても」

「エリっちって蟲使いなんだよね。何が出来るの？」

「僕は……魔物を癒したんだ」

「あーしにかかればゴブリンなんて何匹来たって全滅不可避だから」

「最後にエリっちの声、聞きたかったなぁ」

「…………ぐす」

「蟲使いな自分が、許せない」

「バッカじゃないの」

『だいじなことって、なんだっけ？』

「そんな顔で笑うエリっちなんか超見たくない！」」

「誰かを助けるのが、冒険者だからね」

「お前のジョブは『蟲使いだ』」

「あ、エリっちおはー」

「なんで悩むのよー。あーしがきゃわいくないって事？」

「それでエリック様。本日のご用件は？」

「ああ、その程度なんですね」

「ねえ、ミーコをしらない？」

「じゃあ、どうやって探すの？」

「続ける」

「お仕事中ごめんなさい。ちょっと協力してください」

「ちょりーっす！」

「認めん！　ワシは求めんぞ！」

「えりっちー！」

「アンタなんか消えちゃえええええ！」

「クー」

「もしかしてこれ、あーしの仕業？」

「慣れてる、からかな」

「美しい……」

「あいつ『蟲使い』なんだって！」

「えーと……遠慮します」

「ここなら、多少騒動を起こしても見とがめられないな」

「「流石カイン様！」」

（……自分でも馬鹿だって思うけど）

「お仕事あるといいね、エリっち」

「ほっほっほ。皆さんおそろいのようで」

「んふふー。快適快適ー」

「オレの名前はバスターヘラクレス！」

「じゃがーのーと？」

「へ？　なんで？」

「僕なんかの命よりも――」

「ふん。精々ヤツの盾になる事ですね」

「あ、どうも」

「わかった。信じる」

「ふーん」

「細かいことは気にすんなって！」