「だって……僕は『蟲使い』だから」

「こ、こんな状況で寝れるわけない……！」

「じゃあ、いつもの……お願い」

「カツアゲってやつだな！」

「蜘蛛言うなし。この脳筋エルフ」

「相手が虫なら僕のスキルは通じるけど」

「……すみません、それは本当です」

「あら臆病ね。でも正解かしら」

「んじゃ、秒で終わらせるから！」

「ふふ、濃い味」

「エリック。お前はクビだ」

「よっわ」

「流石ね、冥魔人」

「まー？　まじでやるのー？」

「な、なんらぁ？　ろーしらぁら？」

「三人だ」

「次に会ったら……その時は！」

「ふぇっふぇっふぇ。今回は豊作ですなぁ！」

「ねーねー。あれやってかない？」

「……そんな感じだったっけ？」

「さあ、先ずは生意気な貴方達におしおきです」

「ありがと。助かったわ」

「だから毒吐かないから、あーし！」

「で、蜘蛛を倒せば終わりでおけ？」

「……あの、顔色が紫ですけど」

「普通が一番だし」

「ニーム？」

「それに大将は――」

「ほう、なかなか美人じゃねぇか。悪くねぇな」

「では拙者はこれにて」

「仕方ないなぁ、エリっちは」

「――結局、僕に出来るのはこれだけなんだよな」

「うーわーきーもーのー」

「もー、しまんないなぁ」

「……どうしてこうなった」

「いいぜ。精々負け台詞を考えておくんだな」

「へっへっへ。そいつは言えねぇな」

「いいや。むしろ一口乗りたい」

「大将、モテモテだな！」

「って言う状況なんだ」

「ウソじゃないもん」

「じゃー、どうするのよ。エリっち？」

「二人とも、頑張ってねー！」

「ソイツがお前の本気か」

「しょーがないわよね。エリっちだし」

「エルフの文化ってわからんちんだわ」

「何やってんだ、あの女」

「……よし」

「彼は何処に？」

「二人とも万全だぜ」