概要
どうして俺は――――真夏日の田舎でターボババァを待ち伏せしているんだ?
ただ一人の身寄りを亡くした高校生、七支杏矢は一人、絵に描いたような田舎の農村に移り住む事になる。
携帯電話は圏外、校舎は木造、石を蹴れば畑に落ちる田舎の村。
駄菓子屋には懐かしいものが並んで、古めかしい銭湯が湯を沸かし、電車の時刻表はほとんど真っ白。
だが、そこは――――もう誰も信じなくなった都市伝説までも息づくおかしな村。
そして住人は慣れっこで、首なしライダーも口裂け女も罠を張って返り討ち。
不思議な存在感を放つ同級生の少女、咲耶怜に導かれるまま郷愁の毎日を送る杏矢は――――いつしかこの村を、“思い出して”いく。
ノスタルジックな日々につづる、里山の伝奇青春劇。
※pixiv等で投稿していた作品となります。零時頃にこちらでも一話ずつ投稿していきたいと思います。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!怪異が日常の田舎でボクっ娘ヒロインと過ごす、ひと夏のボーイミーツガール
唯一の肉親であった祖父の死をキッカケに、携帯電話すら通じないド田舎『神居村』へと引っ越してきた『七支杏矢』。そこで出会った『咲耶怜』や村人達と共に、日常茶飯事となっている『怪異の出現』に立ち向かう。
ターボババアや口裂け女など、有名な都市伝説や怪異の出現が当たり前かつ、町内放送でそれを呼びかけたり討伐終了を知らせるアイデアが面白い作品だったと思います。
そしてそれ以前に、まず何よりも『夏』の空気感が最高でした。
蝉や蛙の声、駄菓子屋のラムネ、夏祭り、吹き抜ける風の感触や匂い……そしてボクっ娘ヒロイン。古き良き日本の田舎で過ごす夏、その爽やかでいてどこか寂しさもある雰囲気が終始流れ、まさに『…続きを読む