昏き宮殿の死者の王【Web版】

作者 槻影

2,837

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★★★ Excellent!!!

 物語は主人公に優しくなく様々な試練が主人公に襲い掛かりますが、そのたびに互いに相手の事を考えて立ち向かう姿は応援をしたくなります。
 読んでいてしっかりとキャラクターが生きていると感じることのできる物語なので一度読んでみてはいかがでしょうか。
 ありきたりな展開などに飽きて刺激を求める方にとっては当たりの部類に入る作品だと思います。
 

★★★ Excellent!!!

主人公エンドが新たな生(死んでるけど)をスタートさせますが、周りの敵が強すぎる上にやられまくりの絶望的な展開。
でも生き抜く方法を考え強くなり、彼なりに楽しんだり恋までしているところにエンドの根底にある生きたいという願望だけでなく、実際に生を謳歌しているのを感じます。
主人公はアンデッドなのに生きるっていいなと感じさせてくれる面白い作品です。

他作品も読んでますが、この作者さん大好きです。
特に展開の仕方と笑いの部分、最高です。
この作品ではまさかのロードがお気に入りに(笑)

★★★ Excellent!!!

すごく面白い。アンデッドに対する愛情まで感じるほどの描写と設定。
吸血鬼の弱点を一切消すことなく、全て使った上で話を作ってて、好感がもてる。
話の筋も面白いしたまに入る閑話は楽しいし、言うことなし、素晴らしい。

書籍になるのかなったのか忘れたけど、確実に買う。

★★★ Excellent!!!

主人公エンドの「生きる」ために手段を選ばないポリシーとそれに振り回される周囲。という自称常識人の危険人物の主人公は槻影さんじゃないと書けないなと、毎度驚かされます。

主人公エンドは生き残るために手段を選ばないクズとも言えるんだけど、大胆かと思えば思慮深く、吸血鬼として血の美味しさを力説するかと思えば人間としての感覚を失わない。そのアンバランスさが非常に魅力的です。

応援したくなるというよりは、彼が生き抜けるのか、その行きつく果てはどこなのか、今後どれだけの他人の人生を狂わせるのか。最後までそのアンデッド生を追いたい、と思わせてくれます。

★★★ Excellent!!!

本作の主人公となるのは、不治の病に全身を侵され苦痛の中死んでいった一人の青年。

だが、死んだはずの彼は死霊魔術師ホロスによって死肉人(フレッシュ・マン)として甦らせられ、エンドという新たな名前を与えられる。

何やら不穏な計画を立てているホロスの下から逃げ出そうとするエンドだが、ホロスの言葉には一切逆らえず、そう簡単に逃げ出せそうにない。さらに彼らの住処には、アンデッドの天敵とも呼ばれる終焉騎士団が近づいていた……。

本作の主人公エンドだが、特徴としては凄く弱い! いや、一応死肉人(フレッシュ・マン)になったことで猛獣と戦えるぐらいの戦闘力は持っているのだが、いかんせん周りが強すぎる。死霊魔術師ホロスも終焉騎士団の面々も、その気になれば簡単にエンドを殺すことができるのだ。そんな彼らに囲まれるという絶望的な状況下でどうにか生き残ろうとするエンドの立ち回りが実に読ませるのだ。

自由意思が残っていることを隠してホロスの裏をかこうとしたり、時には自分の不幸な生い立ちを利用して同情を買おうとしたりと、あの手この手で窮地を切り抜けようとする。どんな苦痛に襲われても、地獄のような生前の記憶をバネに這い上がっていく。

正しい道を歩もうとするヒーローのような正義感もなければ、敵対する者全てを薙ぎ払う悪の支配者のような力やカリスマもない。だからこそ彼が必死で生き延びようとする姿は強烈に胸に刺さるのだ。

(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=柿崎 憲)

★★★ Excellent!!!

良い意味で予想を上回る物語。

病弱な主人公はある魔術師によってアンデットとして生まれ変わった。

死者を蘇らせる。そこに慈悲などなかった。

生前の記憶をもって蘇ったのは幸運だっただろう。しかし、アンデットの主人公にとって世界は都合の悪いように動いている。

不都合主義の物語ではないだろうか。

ただ生きたいという執念で広がるこれからの物語に期待が広がる。

★★★ Excellent!!!

不治の病に身を侵された青年は、希望もなく、ただ苦痛に耐え人生を終えた。
全てに絶望し、無力を嘆きながら死んだ無念は死後に青年をアンデットへと変える。

死を克服し、苦痛から解放され、ようやく手にしたはずの『自由』。
けれどもその自由には死霊術師という絶対的な枷が付けられていた。

真の自由を求めて足掻く、アンデットの青年の冒険譚。
最弱の不死者の身でありながら一縷の希望を胸に絶対的な理不尽に抗う姿は読む者の胸を熱くします。

ダークなテイストで紡がれる少年の奮闘。困難から脱出を目指す姿には日々悩み、葛藤するあなたもきっと共感できるはずです。