第35話「弁当が来ない!!」
筆者は幾つもの店舗を行ったり来たりしています。
具体的にはこんな感じです。
住宅街店A……元々の古巣。団地近くでマンションの下にある店舗。お客さんは年配の方が中心で少々村基質というか、知り合い以外には冷たい印象。「スラム街」だと揶揄する人も。
住宅街店B……Aの隣町にある。専門学校、オフィスビル、ホテルなどに囲まれた地域。社会人が単身赴任でこちらに仕事しに来ているらしく、真面目な人が多い。ゲイバーが近くにあるらしく、そっち系のお客さんも多い。
飲み屋街店……オフィスビル郡に囲まれ、その客を狙いにした数多くのバーや食べ物屋さんが軒を連ねるかなり大きな飲み屋街。その真中に位置する店舗。質の悪い酔っぱらいも多いが、店の使いっ走りのボーイがたくさんのお菓子や飲み物、タバコを買い漁ることもしばしば。
実は現在人手不足で、日曜日の夜勤のみ、住宅街店Bで午前0~5時まで働き、先輩のチャリを借りて、住宅街店Aで午前5~8時という勤務時間です。移動時間はだいたい15~20分程度。
この日も住宅街店Aまで移動し、午前8時まで働いて仕事を終えました。さて、そろそろ帰るかと準備をしていると、飲み屋街店から電話が。
なんと、飲み屋街店の店長がうっかり発注を飛ばしてしまい、弁当が一つも納品されてこないという。
おにぎり・お弁当系の納品はおおまかに三回あり、朝、昼、夜と入ってきます。一便、二便、三便という形です。時間帯は店の場所によってバラツキがあります。これはコンビニによっても違うみたいですね。
発注を飛ばしたという事はつまり、一便、二便、三便、全てにおいて弁当が入ってこないということです。つまり、次の日まで弁当系統が無し……!!
皆さん、いつも行くコンビニのお弁当コーナーにお弁当やおにぎりが一つも並んでなかったらどう思いますか? 朝はアイテム数が少ないのも仕方ないかもしれませんが、昼になっても、夜になってもそれらが1つも無いとしたら……。
という訳で現状動けるのは筆者のみです。
なので、このミッションを引き受けることにしました。
まあ、半分便利屋として使ってもらってる面もあるからね、筆者は。
これも給料の内だと我慢しました。
まず、住宅街店Aで弁当を袋に入れました。どの弁当がいいかは筆者と仲の良い姐さん(あだ名)が選んでくれたので助かりました。その弁当をチャリカゴに詰め込み、住宅街店Bまで移動し、チャリを先輩に返却。返さないと先輩が家に帰れない。
そして、B店専用の自転車を借り、飲み屋街店まで行くことになりました。
場所が遠いのでiPhoneの地図アプリを使って調べると、1時間ほどかかるとの事。
店専用のチャリは漕いでもスピードが遅く、ゆっくりしか進めません。カゴは大きめなので大量の弁当を入れたものの、きっちり入ったのは不幸中の幸いです。
アプリで時折、地図を確認しながらゆっくり進みつつ、弁当を地面にぶちまけないよう気を払いつつ、自転車を漕いで飲み屋街店まで向かいます。信号はいつも以上にきっちり守りました。慣れない道という事もあり、1時間以上かかりましたが、それでも、なんとか飲み屋街店まで到着。弁当を届ける事に成功しました。
お礼にとモンスターエナジーの白を奢ってもらい(筆者の大好物)それを飲んでから再び住宅街店舗Bへと戻りました。戻ってきたら午前10時を周ったところでした。いやはやもう、流石に疲れました。
実家に用事があったのでゆっくり静養しつつ、父親にその事を話しつつ、メシ食ってからくたばりました。
姐さんにはストライクウィッチーズというアニメのミーナ隊長の任務完了のスタンプを送って死んだように寝ました。
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