第11話「人の話をよく聞こう」

朝方。

OLらしき、眠そうな女性たちがよくうちの店に来店する。

彼女たちはサンドイッチやおにぎりなどの軽い食べ物と気合を入れるためか、レッドブルやモンスターエナジー等のエナジードリンク系を買っていく事が多い。




不思議なのは彼女たちがエナジードリンクを買う時、大概「ストローをつけてください」と言う事だ。エナジードリンクは炭酸がキツく、男はともかく女性では一気飲みできないからストローを頼むのかな?と筆者は最初そう思っていた。だが、職場の女の子達に聞いていくとどうも「口紅がつかない為にストローを頼む」らしい。なるほど。確かに女性は口紅をしているが、直に飲み物を飲むと口紅が缶についてしまい、また口紅を塗らなくてはいけない。それは面倒だ。




そんな訳で筆者は朝方、そろそろ勤務も終わる時間帯(AM7:00ぐらい)に来店するOLらしき女性客にはストローを勧めるようにしている。さて、この日もそういった女性客が来店した。




「ストローご利用ですか?」



「いいえ、結構です」



サンドイッチとモンスターエナジーを袋詰し、会計をし、お金を貰い、お釣りを返す。



「あ、すいません。ストロー付けてください」




「……あ、はい」




俺、今、ストローご利用ですかって言ったよね?

最初何を断ったつもりなのお姉さん……。

まあ、朝早くの出社は誰だって眠いだろう。

筆者もかつて朝から夜までの仕事をしていたので気持ちはよくわかる。

多分、まだ寝ぼけているんだろうなと言うことで納得しておいた。

でも、人の話はきちんと聞いて欲しいという本音。

でも、ここは朝からお疲れ様ですと言うべきなのだろう。

そもそも、コンビニ店員との会話だからそんなに気を張っていなかったのかな。

人間の本性・素が出るのもコンビニの特徴である。


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