第33話「バイトテロ」


 もう、報道で既にご存知だと思いますが、再びバイトテロが流行っています。どうしてこんなことが起こるんでしょうか。現役コンビニ店員としては疑問符を浮かべざるを得ません。




そもそもバイトテロは2013年頃から頻発して起きていました。有名なのは蕎麦屋でバイトしていた大学生が洗浄機で遊ぶ写真をTwitterに投稿。「洗浄機に洗われてきれいになっちゃった(笑)」→学生は停学処分となり、お店は閉店。




他にもコンビニのアイスの冷凍庫に入り、撮影をした従業員もいます。案の定、大炎上。事態を重く見た本部は従業員解雇だけではなく、このお店はフランチャイズ契約を解除されました。ネット流行語大賞2013で「バカッター」は4位になるほど、この時代はそういったやらかした動画が相次ぎました。




そして、今回の騒動。




「くら寿司店員が魚をゴミ箱に入れ、それをまな板の上に置いた」

「すき家の店員がお玉を自分の股間に当てる」

「ビッグエコーの店員が唐揚げを床に擦り付ける」

「セブンイレブンの店員がしらたきを食べて戻して、踊りながら煙草を触る」

「ファミマの店員が商品を舐め回す」

「ドミノピザの店員がピザを食べながら調理」

「バーミヤンで店員が調理をしながら煙草を吸う」




もう、酷いとしか言いようがないです。正直、開いた口が塞がらないです。新しいのはただ単にTwitter投稿で炎上ではなく、実はインスタグラムのストーリ―ズを使用している点です。




インスタグラムは簡単に言うと、写真日記みたいなアプリ。有名人が使っているのもあり、名前だけ知っているという方も多いと思います。インスタグラムに追加された機能で短い動画を投稿できるストーリーズ。投稿後、24時間で消えるという点やインスタ自体が閉鎖的な環境も手伝って、「どうせ24時間で消えるから大丈夫だろう」「友達しか見ていないからモラルの低いことしても問題ないわ」




と、安易に動画を投稿してしまう。ですが、それを見た人が動画をダウンロードし、Twitterなどに拡散。言うまでもなく大炎上。本人たちはアカウントや動画を削除しても動画は半永久的に残ります。先の「すき家」「くら寿司」はこのケースです。




言うまでもないことですが、解雇になるだけでは済みません。損害賠償請求されるのは間違いないでしょう。金額はケースによって違うと思いますが、2000万円の事例もあります。




そんな金額、お金持ちでも大金です。結局、親に泣きつく結果になることはいうまでもないでしょう。とはいえ、そんな大金をすぐに払えるとは思いません。一生かけても返していくしかないと思います。もしくは一生かかっても無理なのかもしれないが。




また、学生さんだったら通学している大学・専門学校名も公表されます。学校側にとっても汚点になり、多大な迷惑をかけることになります。逮捕・起訴されたら履歴書の「賞罰」に「前科歴」を書く必要があり、書かずに入社できたとしても、後でバレたら退職金をもらえず懲戒免職となります。これは就活にとても不利です。アルバイトですら厳しいでしょう。




先のくら寿司のアルバイト店員たちは動画を自分たちが撮影したものだと認めましたが、広報によると憔悴しきっており、まともに話せる状態ではないという……。何故、そんな動画を投稿すれば全ての人に迷惑をかける結果になるという事が予想できなかったのだろうか。




ここからは私見になりますが、これだけスマホが普及した時代です。動画の投稿も非常に簡単で高画質でクオリティも高い。ゲームもできるし、便利なアプリも多くて生活に欠かせないものとなっています。外国の人に道を聞かれた時に(筆者は何故か、外人に道を聞かれやすいです)翻訳アプリを使いますが、とても便利で毎回、助かっています。




ご存知かもしれませんが、筆者もTwitterを愛用しており、趣味関連の話題を投稿しています。あとは追っかけているブイチューバーさんのリツイートやアニメ・声優さん関連の話題なんかも。最近もフォロワーさんは増えており、嬉しい限りです。




スマホの普及はかつてのガラケー時代とは違い、とても簡単です。今時の機械はわかりやすさ、直感で操作できるという部分に重点を置いている気がします。誰もが簡単にネットにアクセスでき、より簡単に動画を投稿できて、誰もが自分の思ったこと、感じたことを表現しやすいという利点があります。




ただ、欠点としては、あまりにも簡単すぎることです。そのせいでネットの危険性を全く知らない人が爆発的に増殖していることです。だから、バカッターとかが増えているんです。そもそも、匿名サイトだの閉鎖的なサイトだのと謳っても、ネットで完璧に他人に見られないようにする方法なんてないんです。常に世界中の誰かが見ているという意識が必要です。また、ネット上の写真や動画は位置情報があるので追跡が容易という点もあります。




筆者が聞いた話だとある作家志望者の小説を書籍化したいと考える某出版社がいたそうです。ですが、その人はTwitterで人の悪口ばかりを書いており、出版社はそれを見て書籍化を断念したのだとか……。もし、悪口等で無ければ出版されていたかもしれません。これはとても惜しいことだと思います。勿体無い……。




スマホという文明の利器・技術が高速すぎて、国の対策もついていけません。授業などで習うにしても専門学校等のレベルではないでしょうか。小学校で習うことは少ないと思います。あっても危険性を理解できるかは怪しいところです。今時は小学生ですらスマホ持つ時代なのに。親もその辺を我が子に教えているかというと、教えていない家庭が多い気がします。そもそも小学生にスマホ持たせるのもどうかという気がしますが、子供が巻き込まれる犯罪が後を絶たないのもあり、GPS機能付きでそれで見守らないと子供が心配という親が多いのも事実。




筆者から言わせると、こんな動画を流したり、こんな発言を投稿したら、誰かが傷つくんじゃないか? 誰かが怒るんじゃないか? どんな投稿をする時でも、まず、一度ブレーキをかけてから投稿するべきだと思います。




今回の騒動はテレビでも報道されまくってますが、それを見て「こいつらバカな事してるな~」と馬鹿笑いするのではなく、自分は絶対にこんなことしないぞと強く意識しましょう。




常識的に”こんなことしたら即炎上だ”と誰でもわかるものですが、その場の雰囲気やスマホのあまりの手軽さでそれすら抜け落ちている人が多すぎます。後でとんでもないことをやらかしたと気づいても後の祭りです。




読者の皆様でこういう方はいらっしゃないとは思いますが、くれぐれも発言・発信の際はご注意を。もちろん、筆者も肝に銘じます。




それでは、また。

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