第32話「エロ本がコンビニから消える時代」
既に報道でご存知の方もいますが、コンビニに置いているエロ本。
大手ローソン、セブンイレブンは無くす方針を固めました。ファミマは迷った部分があったものの、結局は無くす方向で決めたようです。
さて、若い人からするとコンビニのエロ本なんて誰が買うのか? と疑問符がつくでしょう。確かに最近はスマホでもパソコンでも簡単にエロ動画が拝める時代。おまけにコンビニのエロ本なんて必ずシールで中身が閉ざされてますから表紙とかで決めないといけません。外れていたら最悪。
しかし、実は一定の購入層がいます。それはスマホやネットがよくわからないお爺ちゃん世代の人達。今は知識ある壮年の人も多いので、スマホを使う方は増えています。でも、中にはネットだのスマホだのが全くわからないお爺ちゃん世代も多いのです。
そういう人たちはダイレクトで即物的な物でしか性欲を満たせません。とはいえ、風俗は高いし、お店が多すぎてどこに行ったらいいのかわからないというのもあるでしょう。警察の摘発でお店の数自体も減少しています。エロ本はそういう人たちにとって便利なのです。
調べてみると、エロ本は昔のバブルほどの売上はないものの、今でもかなりの額を稼いでいるそうです。エロ本はそもそも単価が高いし、ネットに馴染めない一定層がいる限りは売れるので、出版社が多種多様な雑誌を出しつつも、どうしてもエロ系関連を切り離せないのはそういう大人の事情があります。
ただ、特に女性層はエロ本を嫌っています。報道ではオリンピックで訪日客が増えるのでイメージダウンを避けたい等とありますが、エロ本を抹殺するには都合のいい謳い文句です。世間のイメージを気にするコンビニにとってはある意味都合がいいでしょう。
とはいえ、実はエロ本だけ買う人はほとんどいません。エロ本と一緒に「ついで買い」する人がほとんどです。栄養ドリンクとか、弁当と一緒に買ったりとか。夜中、夜勤に男性を入れているのはそういう理由があるのかもしれない。そういうのを買いに来るのは夜だし、男性なので。
エロ本は安くて500円前後、高くて1000円以上です。高いのはDVD付きがほとんど。「ついで買い」してくれれば、売上が上がるのもあり、黙認されている部分がありました。ぶっちゃけグレーゾーン。ただ、今回の報道を受けて、オリンピックが始まる前までにエロ本は完全に淘汰されるでしょう。売上が下がるのは痛い部分もあるでしょうが、世間のイメージや評判を気にするコンビニ各社としては、今回のエロ本淘汰は仕方がない事でしょう。いちばん辛いのは出版社でしょうね。ただでさえ、出版不況だというのに……。
店員の立場としては雑誌スペースが減るのは有り難いです。雑誌多いけど、売れないし、返本作業大変だし、エロ本が無くなってもどうも思いません。作業が少しでも減るなら有り難いことです。
ところで、昔はエロ本の自販機なんかもよく街にありました。住宅街の裏通りの寂しい場所にポツンとあったのを覚えています。1冊2000円。誰が買うんだろうか。あと、街の某本屋さんにエロビデオの自販機が堂々とありました。今は世間の流れで遊戯王カードの販売機になっていますが。
よく河川敷にある捨てられたエロ本を見たりして少年は性を覚えていきますが、今どきの子は最初からスマホがあって高画質で様々なH動画が見れる時代。即物的なエロ本が無くなるのは時代の流れとも言えます。恐らく、今後そういう本は専門書店さんとか、極一部の限られた場所でしか買えなくなる時代がくるのでしょうね。
そう思うと少し寂しいような、そうでもないような……?
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