第30話「iQOS事件」
皆様、iQOS(アイコス)をご存知でしょうか。
iQOSとは普通の煙草より匂いを抑えた加熱式たばこです。よく勘違いされますが、電子たばこではありません。たばこの葉をペースト状に加工し、それを加熱させることで蒸気を発生させて吸入するたばこです。電子と違い、ニコチンを含んでいますので満足感が得られます。普通の煙草と違って副流煙が少なめでニオイも気になりにくく、有機物質も9割削減できるのが売りです。
2016年にフィリップモリス社が「iQOS」を販売開始し、大ヒット。ニオイも少なくて健康にもいいならちょうどいいじゃないか!と話題に。フィリップモリス社に遅れたものの、日本たばこ産業(JT)から「Ploom TECH(プルーム・テック)」が発売され、こちらも大ヒット。BAT社の「glo(グロー)」が、宮城県仙台市限定というテスト販売を経て、現在では大半の地域で入手が可能に。
一時期はたばこ屋さんかiQOSショップでないと入手できませんでしたが、現在はコンビニでも割と入手できるようになり、人気を博しています。筆者の務めるコンビニでもiQOSはよく売れています。本体も売っていますし、カートリッジも売っています。
iQOSにしろ、プルームテックにしろ、まず、スターターキットを購入します。カードゲームやっている人ならわかると思いますが、スターターキットは基礎中の基礎。これがないと始まらないセット。これに本体や充電器が入っています。そして、別売りのカートリッジを買います。吸い方は後述。
さて、ここからが本題です。
この日、新人さん、小夜子、相方T君の三人での勤務でした。
場所はいつも通り、飲み屋街にあるコンビニです。
金曜日の夜中という事もあり、日付が24時で変わっても土曜日。
つまり、大半の世間様や企業にお勤めの皆様はお休みな訳です。
そこで飲んだ後に来る客やお店の使いっ走りで、てんやわんやです。
飲んだ客は酒のつまみ、アテが欲しかったり、ヘパリーゼやウコンの力が欲しかったり。お店の使いっ走りはお客さんに言われて煙草を買いに来たり、酒を割る氷が欲しかったり、酒自体が欲しかったり、お菓子を大量買いするなど様々。
相手は年上という事もあり、新人さんに丁寧に教えつつ、自分の仕事もこなしていきます。レジは新人さんにさせ、場数をこなしてもらいます。ただ、わからないことも多いと思うので、商品の袋詰を手伝いつつ、さりげなくフォローしたりします。
そんな中、iQOS本体を先ほど購入されたオバちゃんが怒り心頭という顔で再びやってきました。
「ちょっと、iQOS充電できないんだけど!」
iQOSの不具合は基本、店員ではなく、メーカーの責任です。お客さん自らが本体にあるQRコードからiQOSの製品登録をし、不具合があると報告して修理なり交換なりする必要があるのです。それをT君は丁寧に説明しましましたが、オバちゃんは聞く耳持たず。
「そういうのはそっちの仕事でしょ!?」
いや、なんで俺らの仕事なんだよ。
と、内心ツッコミ。
しばらく押し問答が続きましたが、T君は埒が明かないとし、結局、新しい本体を渡すことを渋々決めました。オバちゃんはそれを手にすると、まだ怒ったまま帰っていきました。めんどくさ。
新人さんは「すいません」を口癖のように言う人ですが、筆者とT君は状況を説明しました。加えて、筆者は「こちらが悪いことをしていないのに、すいませんという必要はありません」と指導しました。
で、返却されたiQOSを事務所内のコンセントで充電させてみると……充電できてるし(笑)
多分、オバちゃんは余程慌てていたのでしょう。すぐに充電できないからと不具合だと勝手に決めつけて店員にいちゃもんをつけたのが真相です。でも、買ったばかりの本体でそんな速く充電はできません。本当、店員に怒鳴るなんて老害も甚だしい……。
話し合った結果、オバちゃんに売った作者にも責任があるし、説明をしたT君にも責任があるという事で二人でお金を折半して、オバちゃんが返却してきたiQOSを買い取ることにしました。T君は既に所持しているので、それは筆者が所持しています。
こ、こんな形でiQOSデビューすることになるとは……。
筆者は普通の煙草を吸います。iQOS等にも興味がない訳ではないのですが、金額の問題で難色を示し、購入したことは一度もありませんでした。まさか、こんな形で吸うことになろうとは。ちなみに「IQOS 2.4 Plus」です。
でも、正直面倒くさいんだよな、iQOSは。
なにせ、iQOSは連続で吸えません。
iQOSでタバコを吸うときは、「ポケットチャージャー」に充電をし、「ポケットチャージャー」にいれた「ホルダー」に充電します。ホルダーをポケットチャージャーに差し込んで蓋をカチッと閉めると、ホルダーへの充電がはじまり、インジケーターが点滅します。約2分ほどで充電完了。
充電が完了したらホルダーを取りだし、たばこスティックを差し込む。抜いた瞬間にインジケータが白く点灯することで充電完了を視認できます。ホルダーの電源ボタン(真ん中のボタン)を長押しして電源オン。ホルダーがブルッと震えるのでわかります。加熱ブレードの温度が上がるまで少し待ってから吸います。大体1本で6分間ほど吸えるみたいです。
で、終わったら、たばこステイックを捨て、ホルダーの充電。吸っては充電、吸っては充電。以下、繰り返し。めんどくせぇぇぇぇ。面倒くさがりの筆者には向いていませんでした。
なので、今は自宅で吸う用にしています。外では相変わらず普通の煙草です。基本、クール系ですが、最近はリトルシガー(葉巻)の「ブラックジャック」メンソールが好きです。だって安いんだもん(20本入で320円です。マルボロが510円の時代にこれはお得!)
グローは連続吸いができるようです。でも、雑誌等の情報によるとプルームテックの方が味が良いとの噂も。こうなると、違うやつも試してみたい……。吸ったことのある方、ぜひレビューを教えてくださいませ。
あ、煙草は二十歳になってからですぞ。
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