第28話「落とし物」
さて、ここ最近ちょっとした事がありました。
その日、筆者は夜勤明けで仕事を終えました。
筆者は相方との談笑もそこそこに職場から少し歩いた先のビル前にある円形のベンチで少し休みました。休みつつ、スマホゲームに勤しんでいました。最近は「プリンセスコネクトR」「きららファンタジア」「東京ドールズ」というゲームをほぼ毎日遊び倒しています。
1時間位して遊び終え、そろそろ帰るかーと移動しようとした所、ベンチの下に鞄らしき物を発見しました。
何故にこんな所に鞄が……?
恐る恐る拾いましたが、意外と軽くて中身は何もない模様。ですが、鞄の外ポケットに大量のカードが入っていました。失礼かと思いましたが、一応確認してみることに。大半はポイントカードでした。でも、中には医者で処方されたであろう薬、クレジット機能付きのポイントカードも複数ありました。
これは困っているだろうと思い、交番へ行くことに。10分ぐらい歩いた先に交番がある事は知っていましたが、落とし物を届けるのは人生初だったりします。うちの地元には空き交番しか無いからなぁ……。
交番ではお巡りさんが拾得物の権利をどうするか最優先で聞かれましたが、いらないと断りました。また、氏名の有無を落とし主に教えても良いかと聞かれ、それには肯定し、名前と住所等の個人情報を含めてきっちり書きました。預かり書の発送の有無も聞かれ、送ってほしいと頼み、交番を後にしました。
何故、送って欲しいかというと、どういう書類なのか興味が湧いた為です。何事にも興味を持つのが作家として必要な事だと筆者は思いますので、それでお願いしました。
それから2日後に落とし主から連絡があり、ぜひ、お礼がしたいとの事でした。しかし、どうも遠方で作業している方らしく、こちらと会うのが難しい様子。筆者が夜勤で働いていることを教えると、その勤務中に伺いますとのことで話が付きました。
夜0時ぐらいにその方は筆者の働くコンビニに尋ねてくださり、丁寧にお礼してくださいました。大変喜ばれており、憑き物が落ちた顔というか、安堵した表情をしていました。届けて本当に良かったなと思う瞬間でしたね。
さて、それから数日後。
うちのマンションのポストに「拾得物件預かり書」という封筒が入っていました。中身を取り出すとA4サイズの紙が2枚入っています。
1枚目が「拾得物件預かり書」
2枚目が「拾得物件返還通知書」となっています。
1枚目はきちっとした書類でパソコンで印刷されたものです。そこには受理日時、個人情報、落とされた物品の中身、上記の物件を預かった日時等が細かく記載されています。
尚、遺失物法第35条の規定により、ポイントカードは法定の期間が過ぎてもあなたが受け取ることができない等々とあります。
つまり、権利を主張しても落とし物がポイントカードでは不可能みたいですね。色々な法律があるのだな。
2枚目には落とし主の個人情報等が記載されており、「平成✖✖年◯月✖日に当署で受理しました拾得物件の遺失者が判明したので、これを✖月◯日に下記の遺失者に返還しました~」等々の細かい文章が書かれています。
おわり。
……オチがない(苦笑)
そうそう、その日、某ドリンクのTwitterをリツイートすると抽選で当選するという奴がありまして、落とし物を届けた後でリツイートしたら見事当たりました。けど、引き換える店舗を間違えて「サークルK」にしてしまった……。
ご存知の通り、サークルKは現在ファミマへと変わっていっています。澤田社長は年内(2018年)にも全店をファミマに変える計画を発表しています。近くで引き換えれるサークルKはどこにもありません。店舗検索で調べると電車で数時間以上かかる場所に1店舗だけ存在するとのこと。
たかがジュース1本引き換える為に電車数時間乗るの?
それなら近くのコンビニで買う方がマシだ。
そもそも値段150円程度なんだし……。
なので当選したものの、引き換えはしませんでした。
悔し紛れに同じ物をコンビニで購入して、飲み干しました。
駅のゴミ箱に缶を捨て、家路につきましたとさ。
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