第37話「とっさの判断」

よくあるとっさの判断。

ネット上ではそれが素晴らしいと「神対応」と呼ばれます。

コンビニではそういったとっさの判断に迫られる場面が多々あります。



以前、お客さんがブレンドコーヒーを頼み、お金をもらってカップを渡しました。しかし、何故か抽出量が少なく、カップにはほんの少ししかコーヒーが入っていません。筆者が試しても同様でした。




お客さんは「ちょっと急いでいるんだけど、いいわ」と断ってきたので、これはいかん!と思い、すかさず返金し、レジ近くにあるホットコーナーにあるコーヒーを一本取って渡しました。




「こちらが悪いので、これをどうぞ。自腹切りますので……」




お客さんは「え」という表情をしたものの、素直にそれを受け取り、お礼を言って去っていきました。




これは神対応……とまではいかなくても、かなり良い処置だったのではないかと思います。いや、自画自賛したい訳ではなく、客観的に見ても良い判断だったと。




後でコーヒーメーカーを調べてみたら、単に豆が多くて詰まっていただけでした。豆のタンクを軽く叩いて即、解決。




後日、そのお客さんはわざわざ足を運んでくださり、「この間はありがとう」とお礼を言ってくれました。こちらも以前はすみませんでしたと謝罪し、和やかに会話ができました。




相手を怒らせずにどう対応するか? どんな仕事でもそういう判断が問われますが、コンビニ店員はそういう場面がわりと多くあるかと思います。

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