第31話 昇竜拳が出ない(ゲームの話)
【Q】
web小説はなにかしらゲーム文化の影響ぬきに語ることは出来ないような空気がありますが、ところで思い出のゲームなどはありますか?
【A】
「幻想水滸伝Ⅱ」が面白かったなとか、姉と妹がやってる「ファイナルファンタジーⅦ」を後ろで見ながらエアリスの死ぬとこ何回見てるんだろって思ってたこととか、「ときメモ」ってやってると大体面倒くさくなって二年の後半あたりから伊集院ばっかりに電話かけまくった挙句三年のクリスマスパーティーで女子から汚物を見るような目で睨まれたあげく早乙女好雄からさわやかに「お前嫌われてるぜ」って告げられた時は笑ったなとか、つうか朝比奈夕子のあの服装は90年代のギャルとしてあれはどうなんだとか、「バイオハザード」の主人公をまともに操作できなくてゾンビに倒すどころかゾンビに出会う前に面倒になってやめたとか、「「サクラ大戦」で死ぬ奴初めてみたって」笑われたとか……、まあそんな感じですかね。
【Q】
ロクな思い出がないですね。
【A】
もともと家庭の方針でテレビゲームの類に触れる機会が極端にないまま大きくなったことが関わってるのではないかと(※先にあげたタイトルは大体ゲーム解禁になったころに遊んだものがほとんどですね)。そのせいか、ゲームが無くても生きては行けるんですよ。
あとね、どうもゲームの類に向いてないんですよね……。やると楽しいのは分かるけれど、途中で絶対面倒になるのです。だから遊び方が雑になる。のめりこめない、上手くならない。下手なまま、っていう。
【Q】
アクションとかパズルとか格ゲーだとか反射性や動体視力が問われるものならまだしも、RPGやギャルゲー、乙女ゲー、ノベルゲーなんかに上手下手は関係無いでしょう?
【A】
ありますよ! 「ストーリーを追いたいだけなのになんでわざわざミニゲームやったりお使いたのまれたり、何十分も続くようなバトルして死ぬ思いしたり、一回見りゃ十分なムービーみるのに何度も付き合ったりしなくちゃなんないんだ! めんどくせえ!」ってなりますよ!
つか「これだけこちゃこちゃやって明らかになるのが結局のところストーリーだっていうのならもう、絵とかムービーとかバトルとかめんどくさいし字のみで読ませぇ!」ってなりますよ。
……なりますよね? なりませんか?
【Q】
知りません。
要はあなたが短気な面倒くさがり屋ってだけの話じゃないですか。
【A】
そこは否定しませんよ。最初から攻略本みてプレイすることに躊躇いを感じない方ですし(※「幻想水滸伝Ⅱ」はそれで108人の仲間を集めました)。
【Q】
――ゲームの楽しさって、現実では体験できないような楽しさや恐怖を味わうことも含まれてるのでは……?
なのにそういう遊び方……はっきり言って邪道では?
【A】
だからゲームに向いてないってさっきから言ってるでしょうに。向いてないというのはこういうことですよ。
エッセイの趣旨とは関係ないゲームの話ですみません、ピクルズジンジャーです。
連載作の下書きやら、体調不良やらで間があきましたので、ふと頭に浮かんだネタでエッセイを更新してみる気になりました。
そんなわけで、ゲームの話です。
なぜにゲームなのか? ゲーム、特にソシャゲなどは小説や漫画のパイを奪っているライバルコンテンツ。webで小説を公開しているものとしてライバルメディアのことでも分析してみようかい――といったような大層な狙いは特にありません。単に「ゲームに興味はないことは無いんだけど、めんどくさいんだよ~」という話をしたいがためにつらつら書いてみる気になっただけです。
まあ、結論が既に出ているのですが――めんどくさい。
やり始めた直後は概ねどのゲームも楽しんで遊びだすけれど、途中で必ず飽きてしまいます。
好きなキャラクターもできるし、ストーリーも気になる。推しキャラは強くしてあげたいし、分岐ものなら一応すべてのストーリーはみてみたい。
――ただし、面倒くさい――。
シナリオを進める為だけに、バトルしたり、ミニゲームしたりするの、いやぁ~。
そろそろ疲れたし終わろうかなってところで、ボス戦に突入したりするのいやぁ~。なんとか勝ったからセーブしようって所にさらにつよいボス戦が強制的に始まったりするのいやぁ~。
別シナリオみるためにまた最初っから遊ぶのいやぁ~……といったことの連続で飽きるわけですよ。
ゲームが嫌いなわけではないのです。スマホのゲームなんかだと、始めたばかりのときはついのめりこんで空き時間をそれに突っ込んだりしてしまいますしね(ただし課金はしない。あとリセマラもやらない……めんどいから)。
楽しいことは楽しいのは重々分かってはいるけれど、ログインボーナス貰わなきゃとか、あのキャラクターを強くしたりレベルアップするためのアイテム拾うために特定の面をグルグル周回しなきゃ……とかそういう作業に時間をとられるうちに「やってられるかー!」となるのです。残念なことに時間は有限ですしね。
それからね、さっきから言ってるけどゲームはね……、任意の時間で終われないのが辛いんじゃ……。
もうそろそろ終わりたいって所でバトルがが始まったりするんじゃ……。あれがイヤなんじゃ……。
その点、本はいい。好きな所まで読んで、好きなところで閉じられる。「この続きがしりたきゃミニゲームをしろ」とか、そういう所がない……。あと電気も必要としないし。紙の本最強ですよ、暗いとこじゃ読めないけど。
さてまあ、FGOだとかメギドだとか気になるゲームの話題が頻繁にTwitterに流れてくるので興味をそそられるものの、以上のような理由で手が出せないのでした。気にはなるんだけど、ゲームこなすのが面倒くさい……。
もういっそのこと、シナリオだけ読ませてほしい。ゲームやってらんない人の為に、一日ちょっとずつストーリーのみ公開しますよってサービス始めてくれたらいいのに等と本末転倒なことを考える始末です。
一日すこしずつ更新されるストーリーって、それじゃただの連載小説じゃないか。ゲームの意味がないにも程がある! とあきれてしまうのものの、物語を楽しむにはそういう形態が一番性にあってるようなのですよ。少なくとも自分にとっては。
――そんなヤツですが、比較的飽きないジャンルはありました。
実は2D格ゲーが好きだったのですよ。友達の家で触らせてもらったことがきっかけでKOFあたりを中心に遊んでいました。
漫画みたいなキャラクターが山ほど出てくる、漫画じみた派手な必殺技やキャラクター同士の掛け合いに見ごたえがる、練習して派手な技がだせるようになったときの達成感が嬉しいといった所が性にあっていたようです。
ただし昇竜拳(→↓↘)を任意のタイミングを入れられないようなヤツだったので腕はへたくそです。でもいいのです、派手な技さえ出せれば満足なのだから……。読みあい? 駆け引き? なにそれ? ってやつなので家族以外や友人以外の他人様とは対戦もしませんでした。
なにかのきっかけでまたやるようになっても、ネットの対戦とかはしないでしょうね、怖いし。
――以下、なんとなく思い出のゲーム話など。
あんまり古すぎてもなんなので、冒頭にあげたゲームから最近遊んでたソシャゲのことを中心につらつらと語ってみます。
・「幻想水滸伝」「幻想水滸伝Ⅱ」
我が家でゲームが解禁になってから姉が始めたゲームのうち一つだったように思う。確か「Ⅱ」が先でそのあと無印を始めていたような(ベストエンディングが迎えられるか否かに関わっていたはずなので)。
見ていて面白そうだったので、私も始めた。大変面白かった。素晴らしいゲームだった。村を焼きまくる皇帝・ルカブライトの最期は印象深い。以上。
――これだけで、終わるのは流石にアレなのでつけたしますと、108人いるキャラクターが魅力的だったこと、彼ら彼女らを集める作業が面白かったこと(後略本みてますが)、ドット絵のキャラクターが可愛らしく、操作がしやすかったこと、特定キャラクターをパーティーに入れた時の演出を見るのが楽しくてムササビ五匹あつめようとまでしていたこと(面倒になったけど)など、すべての要素が自分にとってちょうどよかったように思います。
しかし、ベストエンディングを見てないままなんですよね……。死ぬまでには見たいんだけどもう一回やるのはちょっと……。どうしても時間食うしなあ。
・「ファイナルファンタジーⅦ」
先で述べた通り。姉と妹が先にやっていたのを後ろから見ていた。エアリスが死ぬムービーを何度も見ていたせいで、自分がやる段会になるとショックも何もなかった。そもそもエアリスよりティファ派だった。
スノボなどのミニゲームは全然上手くなかったが、なぜか暴走機関車を止めるのだけは異常にうまかった。……ほかに思い出が無い。
・「バイオハザード」
1だか2だか? とりあえず人気があった時に友達に借りたもの。
本当にキャラクターが動かせなかった。ゾンビと戦う以前の話である。
このゲームに関する加山雄三や鈴木史郎の腕前がハンパないとよく聞くが、キャラクターを任意で動かせるという段階で尊敬に値する。
・「ときめきメモリアル2」
多分2でよかったと思う。とにかく藤崎詩織の出てくるヤツです(※追記:藤崎詩織の出てくるのは初代のものだとTwitter経由でフォローをいただきました。ありがとうございます。言われてみれば確かにそうでしたね)。
友達の家で遊ばせてもらったのですが、とにもかくにもすぐに爆弾つけまくる前髪の重たい女子(名前忘れた)へのヘイトをため込んだあげく、面倒くさくなり、日曜日になるとイヤミな金持ち・伊集院へ電話をかけまくるという寂しい男子高校生へ変わり果てることが多くなった。
今になって、大富豪の跡取り息子として虚勢をはるために一般庶民の間にはただただ奇矯な言動に出てしまわざるを得ず、そのため親しい友達もいない孤独な自分に電話を毎週かけてくる主人公のことをそりゃあ好きになるよな伊集院も……という共感が湧き出てきたりもする。自分から電話かけてるんだから主人公も札束の布団とかダイヤの漬物石の話ぐらい聞いてやれというのだ。
ところで、海水浴場もあればスキー場もあり、人気バンドの全国ツアーの立ち寄り先だったりするそこそこの都会・きらめき市……。なんだよこんな90年代末期の終わりなき日常を生きる高校生に都合の良い地方都市は? 日本にそんなところあるのか? と、その当時友人にツッコんだところ、「広島市には海水浴場とスキー場もあるし、そこそこ大きいライブやったりする程度には都会」と返されてびっくりした記憶がある。まさかそんな市町村が実在するとは。関西の内陸育ちには俄かには信じられなかった。
・「サクラ大戦」
初代のやつ。
戦闘の仕方を全然わかってなかったのでしょっちゅう死んでいた。キャラクターを攻略するとか以前の話だった。
~以下、比較的最近の話
・「艦隊これくしょん」
せんだってお亡くなりになった漫画原作者さんと同時期に始め、カクヨムを始めると同時に終わらせたゲーム。
ブームを巻き起こし始めていた頃「歴史的に難しい諸問題を抱えたものを題材にけしからん要素のあるゲームを作ってお手軽に楽しむのは如何なものであろう?」とわりと憂慮していたはずなのに、pixivさん経由で自分のツボに突き刺さるキャラクターがいると知った途端「……サーバに空きができないかな?」とあっさり方向転換をしたという、己のポリシーの無さを物語るエピソードを伴う。いやもう、可愛いキャラクターって怖いですね。
ともあれ、ひたすら無課金で遊んでいたので全然強くなかった。あと、性格的にツンツンしていたり気が強かったり、プレイヤーに対して好き好き光線を発射してこない好みのタイプの子に限ってあまり強くないという悲しい現実が待っていた。結果、いつの間にかそういう子を集めて育てるという作業に邁進していた。そのために気分は「問題児だらけの弱小部活を強くする顧問の熱血先生」だった。
部活の顧問の気分になると、率先して「あたしに任せて!」「勝利を約束する」とか言ってくれるハキハキしたバイトリーダータイプの子を頼もしく感じるようになる。となると、服が破けた程度のことで泣き出したり恥ずかしがったりするような子を見て「お前らは一体何しに来た! ここは戦場だ!」と喝を入れたくなる始末。
そうすると、やたらえこひいきの激しかったので嫌いだった中学時代の体育の先生のことが思い出されるようになる。
指導者ともなると、バレーボールの最中に率先してボールを拾いに行くようなタイプの女子を可愛く感じるのも人間として無理からぬ話であったな……と、今更ながら思わぬ理解を得たりしたのだけど、それはそれとして不当に低い成績をつけられたことは今でも許せないのだった。
結構楽しんでいたのですが、やりこむとパソコンの前から離れられなくなることや、一日のうちにこなすべきノルマが増え続けたことが面倒になったのでやめました。
・「文豪とアルケミスト」
艦これと同時期に遊んでいた。楽しんでいたけど、同趣向のゲームを二本並行するのが難しかったのと、周回の辛さとガチャ運の無さに心が折れて短期間しかやらなかった。
お船のゲームと並行してやっていたため、ちょっとしたことですぐやる気をなくしたりいじけたり暗黒面におちかける文豪たちの面倒を見切れなくなり、「艦娘見習えー!」と説教したくなったことも多々あった。
そんなこんなで、学業の成績よりも文化祭の実行委員やってたとか体育会系の部活で頑張ってた系の学生を取りたがる人事課の人の気持ちもわかったような気がしたけども、言うまでもなく私自身がちょっと辛いことがあるとすぐに拗ねるし泣くしいじけるような奴である。
・「プリパズ」
偉大な女児アニメ「プリパラ」から派生したパズルゲーム。期間限定イベントコスチュームのキャラクターが欲しくて結構頑張っておりました。
すっとんきょうなのに尊いアニメ本編を反映したのか、イベント限定のシナリオも妙なものが多くて楽しかったです。
特に、キャラクターたちがよくあるRPG風の物語を演じる「プリパズサーガ」ってのが、あろみか派のツボをつくような傑作でねえ……。あれだよ、かつて一緒にすごした女の子と再び出会うために魔法の研究始めたら不老不死の状態で千年も生きてしまった魔導士の女の子が旅に出るんだよ? 冒険の端々で天使に生まれ変わったその女の子と再会するんだけど長時間は会えないんだよ? ああ好き、たまらん――とか、こういうことを言いだすと気持ち悪くなるので割愛。
しかし一回ログインボーナスを受け取り損ねたことからなんとなく足が遠のき、別のゲームを始めて以降距離ができ、きがつけばサービスが終了していたのでした。合掌。プリパズサーガのシナリオがどこかで読めないものだろうか。
・「マギアレコード」
某まどマギさんの外伝スマホゲー。リリースして直後に遊びだした。
これも無課金でやっていたため、おもにコモンの魔法少女さんたちを集めて育ててサブシナリオを読んで……というコストのかからない方向で楽しんでいた。
周回作業は面倒だったけど、ある一定の地域だけで語られる悪しき存在と超常の力で立ち向かう子供たちが出てくるジュブナイル要素の強いファンタジー(「電脳コイル」だとか天沢退二郎だとか)やら魔法少女やら、扱っているネタがどれも好みだったのであまり苦にはならなかった。
メインのシナリオがどう進むかも普通に関心をもっていたというのに、ある時のバージョンアップの際に不都合が起きてゲームのデータが全部吹っ飛んでしまったのだった。バックアップもとっていなかったのが致命傷。
そのことがショックでアンインストールしたものの、ゲームに対する未練は強いまま現在に至る。あの騒々しいキャラクターたちはそれぞれどういう関係をむすんでいったのか、あの街はどうなったのか、それだけでも知りたい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます