第18話 ネーミング続き
【Q】
前回自作のネーミングについてながなが語ってましたけど、読んでられないのでまとめてください。
【A】
・名前つけるの好きじゃ無い、特にカタカナ名前が苦手。
・つける時は雰囲気でほぼきめる。
・必要がなければ固有名詞より一般名詞を優先する。
前回のエッセイ、いくらなんでも自分語りだけで終わってしまうのはしまりがなさすぎるのでムリクリにくっつけてみた纏めです。
とりあえず頭から語ってみたいかな、と。
・名前をつけるのが好きじゃない
キャラクター名を考える作業そのものは楽しいので、そこは嫌いではありません。
が、そこから妙なこだわりを発揮してしまいそうになるのが嫌だといいますか、怖いわけです。
実は私はもともとかなり設定厨なところがあるのです。本格的に小説を書く前の中高生時代など、小説を書く前に用意した設定ノートを作ることに一生懸命になってしまったことが何度もありました。
増えすぎる登場人物、こじれにこじれる人間関係、無駄に壮大化する世界観と歴史、そんなものをノートにまとめはするものの、いつまでたっても書かれない物語の本編――……ああいやだ、思い出したくない。恥。
カクヨムでの活動を始める前、「私のしたいのは緻密な世界観をつくることではなく小説を書くことだ」、と、意識しました。
素人の作った無駄に壮大な世界や歴史につきあってくれるほどお客さんは暇ではない、世界観など多少ザルでいいからそこにそそぐ労力は書く方に回せ……と言い聞かせてから小説を書いた所、生まれて初めて完結までこぎつけることができたのですよ。その経験は自分の中で大きかったのです。
「キャラクター名に凝る」ということは自分の中で「世界観に凝りすぎる」ということとほぼイコールな行為になりますので、ネーミングは極力無造作に行いたいという心理が働くのです。
故に名前をつけるという作業が苦手なのです。が……、なんだか分かり辛いですね。
・カタカナ名前が苦手
いわゆるハイファンタジーをさほど好まないことも関係して、とにかく苦手だなー……と。
ふた昔前のギャグとかコメディ調のファンタジー小説にありがちだった、お菓子だとかお酒だとかの名前を転用したネーミングなんかは平気ですが、年々シリアスで重厚であることを謳った作品の各々こだわり抜いておられるであろうキャラクター名前を目にするとそれだけで「うう……」となる。
ファーストネームだけならまだついていけますが、ファミリーネームがくっつき、さらにナントカ伯ナニナニ等の肩書き、その勇猛さで戦場ではナンチャラ王と呼ばれるといった二つ名までくプラスされる人物がゾロゾロ出てきそうになるといよいよ「うううう……」に。
もういいよ、勇者とか魔王とか出てくるようなジャンルのキャラクター名はみんな「勇者」「魔王」「戦士」「魔法使い」とかそんなんでいいよ……と、なりがちです。
もし異世界もののファンタジーでも書く機会があれば、昔病院の待合室で呼んでいたドラクエの四コマ漫画劇場のように「勇者」「魔王」で押し通すのではないかと思います。ドラクエやったことないけれど……。
まあこの辺は単にnot for me というだけですね。大した理由が無くてすみません。
なお、翻訳小説は普通に読みますし、ヒストリカルファンタジー的なものなどは普通に楽しめます。
・つけるときは雰囲気でほぼ決める
もともと雰囲気重視の横滑り思考な為です。
「魔法陣グルグル」という漫画の作者さんが、自分は雰囲気思考で「魔法陣だからグルグル~って感じで」ということからタイトルを決めたというようなことををオマケ漫画で語っておられたような覚えがありますが、わりとそういう感性に倣いたいところがあります。でも雰囲気で決めるのってセンスが一番問われますね……。
・必要が無ければ固有名詞より一般名詞を優先する
先に述べた「世界観に凝りすぎる」のを回避するためです。
普段書きもしないし読みもしない異世界ファンタジーを例にとりますが、「異世界なのに地球と同じ農作物や家畜がいるのはおかしい」という理由から、限りなくジャガイモや小麦に似たオリジナル農作物を用意したり牛や馬っぽい動物を用意する行為にあんまり意味を見いだせないタイプなのですよ。
オリジナル農作物やオリジナル家畜が作中で重要な役割を果たすというのならまだしも、ただ単に主人公が冒険をして成長するような物語なら労力を注ぐべきところはそこじゃない。異世界だろうがなんだろうがイモはイモでいいし、馬は馬でいいだろうに……と思う派閥に属します。
作中特有の専門用語などオリジナルの固有名詞が必要になった時は、極力シンプルで分かりやすいものになる様にこころがけていますね……。
人名を考えるのは楽しいけれど、専門用語を考えるのは難しいのでセンスの無さがあからさまになりがちです(そのためキャラクター名をつけるよりもずっと苦手です)。
――まとめの意味で一章追加してみたのに、全然まとまっていないような――。
とにかく自分の中で「世界観に凝りすぎる」ことを異様に恐れる気持ちがあるのですよ。これはこのエッセイで以前あげた「自作のキャラクターに過剰な思い入れを抱きたくない」という気持ちと関連するものであると思います。
裏を返せば、うっかりすると自作の世界観に凝ったりキャラクターに耽溺しやすい気質であるということなんですよね……。いやだ、イタい。恥ずかしい。
同じ世界観やキャラクターを何作も使いまわしてる癖に今更イタいもクソもないだろうと冷静な自分がつっこみますが、それでも恥ずかしいものは恥ずかしいのですよ。
何故恥ずかしいのかは、先に述べた十代の黒歴史ノート量産時代の記憶があるからでしょうね。
いやほんと、知らねえよ、他の人はお前の中にある別世界の歴史だとか人々の愛憎だかに興味ねえよ。「うちの〇〇ちゃん」だって他の人にとってはそんなに可愛い存在でもないよ。
設定ばっかりこねくりまわしたって小説にはならねえよ……と昔の自分に声を駆けたくなる心情が極力シンプルで伝わりやすいネーミング及び世界観にしたいという心掛けに結実してるのではないか、と、分析しております。
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