第26話 プロや書籍化を目指さない理由。

【Q】

 プロデビューや書籍化に対するあこがれはないのですか?


【A】

 プロデビューはともかく、書籍化に対してはそりゃあありますよ。本好きですし、当たり前じゃないですか。


【Q】

 ではなぜ目指さないのですか?


【A】

 大喜利が苦手で、自分の書きたいものしか書けないからです。



 

 やりたい放題やってる連載作が現在難所に差し掛かっているため、連日頭を悩ませているピクルズジンジャーです。

 難所だらけの小説にわざわざ挑戦したくせに、ストーリーの原案を練りながら「誰だよこんなめんどくさい話書こうと思ったやつ!」と自分に対してキレたくなる始末。

 そんな塩梅ですが、このまま投げ打つのは非常に気持ち悪いので完結めざしてぼちぼちやっていきます。あの字ばっか多い小説をお読みいただいている皆様、どうかぼちぼちお付き合いくださいませ……。



 そんなわけで、気晴らしを兼ねて書いてみたエッセイになります。


 このエッセイでも、カクヨム活動は趣味としてやっていると常々公言しております。

 とはいえ冒頭で述べている通り、小説で身を立てることや書籍化に対するあこがれが全くないのかといえばそんなことはないわけです。特に書籍化に対するあこがれはそれなりにありますね。今でも紙の本が好きですし。

 出版界隈の不景気はそれなりに耳を挟むので、プロデビューに対する願望は書籍化に比べて少なめです。それでも「十万字こえてる長編をいくつか書いたんだから、お小遣いレベルでもいいからお金になったら嬉しいのになぁ」という煩悩は捨てられません。


 じゃあ、正々堂々プロを目指しているといえばいいじゃないか? と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 が、自分の創作姿勢を考えるとどうみても文筆で食っていけそうではないなと判断せざるを得ないのですよ。というのも、クライアントが求める物語を用意するということができないのです。


 コンテスト開催前に告知される「当編集部はこういう物語を求めております」という要項に目を通して一応構想をねってみるものの全く案が浮かばないことが多いのです。

 「このお題で小説を書いてください」という自主企画を見かけたときもよくストーリーを練ってみるのですが、やっぱり何も浮かびません。


 そして結局、書くのは自分の書きたいものということになります。


 ――求められているものが書けないようではプロとしては使い物にならんだろう、と、自分に見切りをつけるしかありません。


 思えば、小学生の読書感想文などもそうでした。「先生はおそらくこういう内容の感想を期待しているのだろう」というアウトラインは見えるものの、どうしても思ってもいないことは書けない(そもそも上手な作文を書くスキルも圧倒的に不足している)。


 テレビで大喜利番組を見ていた時には出演者といっしょに面白い回答を考えてみるものの、脳がフリーズした状態になりがちでした。


 どうも、テーマに沿ってひと様が喜ぶ回答を用意するという行為と致命的に相性が悪いのですよ。言い換えればサービス精神がない、受け手の反応が予測できない、傾向と対策を考えるのが下手……。自分で書いていてつらくなってきました。


 漫画などでは、作者が自分の描きたいものより読者アンケートなどを考えて作ったものほどウケがいいなんてことはよくありますよね。売れるために描いた漫画で大ヒットを飛ばしたあと、本当に自分の描きたかったものを描いたら情け容赦なく打ち切りをくらったという事例をたまに耳にします。

 まあ、よく考えたら当たり前ですよね……。漫画も小説も読者がいてこそ成立するものなのだから、読者が喜ぶものを作った方が売れるのは。

 そういえば、名作児童文学は親が子供にせがまれて作った物語から生まれるという話をよく聞きます。

 小説からは離れますが、ラジオ番組のハガキ職人から放送作家になったりする人もいますよね。やっぱり自分の書きたいものより相手を喜ばせる・受けを狙うことに挑戦できる人でないとプロとして通用できなさそうです。

 

 自分の書きたいものや読みたいものを優先する者としては、自分の作りたいものを作るのを我慢して受け手を喜ばせるための作品を作れる方を尊敬しがちなところがあります。そういうのがプロの仕事なんだろうな、と。

 ぼくにはとてもできない――と、とある漫画に出てきた名フレーズをつい口にしたくなります。


 ですので、のんびりこつこつ自分の書きたいものを書くのが自分には合っていそうだと判断し、今日も連載作の今後の展開に頭を悩ませている次第です。



 自作の本を出したいという夢は、いつか同人誌を出すという形で実現したいですね……。現在、先立つものが無いので目標に据えることしかできないのですが。

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