第25話 こわいもの。
【Q】
小説執筆中はどんなことに悩まされますか。
【A】
・肥大化する承認欲求(これが厄介)。
・体力不足。
・後回しになる家事その他。
・本を読む時間がとれなくなり積読地獄に。
……目下のところ、以上のようなものに悩まされております。
特に、恥ずかしながら人見知りのくせにかまってちゃんな所がありますので承認欲求の管理には頭を悩まされがちです。
エッセイのみでお付き合いいただいている皆様、お久しぶりです。ピクルズジンジャーです。
2019年1月末から2月初旬にかけ、家族がインフルに罹患したため看病していた所ものの見事に伝染してしまうという散々な目に遭っておりました。そのためカクヨムどころではない数日間を過ごしておりました。
一応は平癒したので先週末あたりからカクヨム活動を再開しておりますが、数日でも間隔が開いてしまうと勘をとりもどすのがなかなか難しいものです。そのうえ疲れから体力も戻りきらず……うーん、困った。
特に連載作の方は、これから広げに広げまくった大風呂敷を畳む作業にとりかからねばならないというのに、頭がぼんやりしたうえに文章を考えるだけで体力が絞られるようなこの状態はちょっと弱る。
というわけで、文章を書く勘と体力を取り戻すための一種リハビリとして久しぶりにエッセイを書いてみることにした次第です。ちょうど執筆上の悩みもありましたしね。
そんなわけで、「カク」時に意識してしまう怖いものの話です。
その中でも、承認欲求に関するものをこの際ぶちまけてしまおうかという、そんな趣旨のエッセイでございます。
ハートなり星なり、よい評価をいただく。とても嬉しいものですね。
おほめの言葉をいただいた時など天にも昇るような心地がするものです。
それでなくてもPVがわずかに回っているだけでも十分嬉しい。
思えばカクヨムで活動を開始した時、PCの向こう側には見ず知らずの方がいるということをあまり意識せず「好きなように小説を書いていいところ」として気楽に書くところから出発し、何かの拍子にPVが増えたりすることに気が付いたときなどは「私の拙い物語が他人様に読まれてしまっている……!」という羞恥心にのたうちまわりそうになっていたというのに、今では更新するたびにPVが回っていないかとついついカクヨムを覗いてしまう始末。思えば遠くにきたものです。
どなたかに読んで頂ける、ということに慣れてしまうといい意味で面の皮が厚くなるところもありますが、厚顔無恥にもなってしまうといいますか「え、私の書くもの、実はちょっと面白かったりする……?」と調子に乗ってしまったりする。
ほどほどに調子に乗る程度のことならモチベーションも上がりますので悪いことばかりではないとは思うものの(ただ我に帰った時にめちゃくちゃ恥ずかしい)、調子に乗りすぎて実力を過大評価しすぎた時がなかなかにしんどい。
あれ、結構おもしろいもの書いたと思うのに反応イマイチだな。おかしいな~、あれ~……? となって、用もないのにカクヨムを覗いたりする。一日何度ものぞいたりする。のぞいたところでPVは当然増えない。あれ~、おかしいな~……というループを繰り返すような精神状態になってしまうと、まあ地味に辛い。気持ちも辛いし、こんなつまらんことに時間を食われるという実際的な悩みも加味されますしね。結構深刻です。
幸い人気ジャンルを書いてはおらず、プロデビューや書籍化を目指さずに趣味でやってるということから他人を妬んだり憎悪の域に達するほど羨んだりという徹底的に暗黒面にはまりこむことだけは回避できていますが、それでもやっぱり人気作家さんの星の数などを見てはため息をついてしまうような気持ちに傾くことはあるわけです。
――まあ、こういう心理状態になるのも本来の自分の実力を1.5倍ほど多めに見積もってしまうからなのですよね。自分の書くものはもっと読まれて当然だという……ああ、書いていて自分が恥ずかしい。
そもそも、どこの馬の骨とも知らない人間が書いた拙い小説に現時点でもすでに十分な星やレビューを頂いております。それで十分じゃないか――……。頭が冷えるとそのことに冷静に気づくことができるものの、ついついスマホやPCを覗き込んでしまう状態のときはなかなか難しい。もっと評価がほしい、ねがわくば褒めてほしい、それが無理ならせめて読んで欲しい……という欲に憑かれ気味です。苦しい。
この種の苦しみは承認欲求というものがある限りついて回るものでしょうから、せめて暴走させないように飼い慣らしております。
具体的な手段としましては、頂いたレビューを読み直したり(本当に力になります……ありがとうございます)、アホみたいですが自分で自分をほめたりすることです。私の場合は「今までエタらずに長編数作完結させてるのはえらいぞ!」とか「ノープランのノープロットで書き始めた割にはちゃんとまとめていてえらいぞ!」とかですね……。恥ずかしいけれど、メンタルの具合を悪化させるぐらいなら自画自賛して恥かいた方がマシです。
――そうそう、メンタルが悪い方に傾くこと。これも書く上で結構恐ろしいものです。
私の書くものは基本的にバカバカしいコメディなので、精神状態が安定しているか、いい意味でテンション上がっている時じゃないと上手に書けないのですよ。真っ黒い気持ちの時はまず書けないですね。
そんなわけで、自分の期待に沿うほどの反応が得られなくてもメンタルを腐らせないテクニックをなにかしら心得ておくことが執筆活動には必要かな、と、このエッセイの趣旨にそった結論をひねくりだしてまとめておきます。
しかしでも、やっぱり読まれたいという気持ちは抑えるのがむずかしいものですね……。ふう。
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