第2話 自分のことなど。
【Q】
小説を書き始めたのはいつからですか。
【A】
小説のようなものを書き始めたのは中学生のころです。
そこから長い中断を期間を経て、2017年にカクヨムに登録したことをきっかけで小説を再び書き始めました。
デイドリーマーという言葉を最近になって知りました。
文字通り、昼間に夢を見る人、しょっちゅう空想の世界に浸る人、というような意味の言葉のようです。
振り返れば小さいころからそういう気がありました。
布団に入って寝付くまでの長い時間(私は寝つきの悪い子供でした)、
渋滞中の車の中(車の長距離移動が大嫌いな子供でした)、
行きたいと言った覚えがないのに幼稚園に通いやりたいと言った覚えなどないのになぜかお遊戯や体操をせねばならない時(幼稚園が死ぬほど嫌いな子供でした)、
そんな時にぼーっと頭の中で様々な光景や様子を思い浮かべてやり過ごしていたように思います。
そのような具合でしょっちゅう物思いにふけるので反応が周りから数テンポずれるという、無害ではあるが協調性に欠けるウスボンヤリな人間として人生の大半を過ごしました。
その想像力も赤毛のあの人のように頭抜けて独創的、且つ友達を自分の設定した遊びの世界に巻き込むなどといった行動力にあふれていればチャームポイントとして昇華できたかもしれません。
が、残念ながら頭の中で思いめぐらせているのは見ていたアニメのワンシーンやそれを基にしたオリジナルストーリーなどで没個性的なもの。しかも友達の輪の隅っこで隙あらばボンヤリしているだけ。
そういう子供は残念ながら傍からみればただのぼんやりした無害だけど愚鈍な子供にすぎません。
愚鈍な子供は多少の紆余曲折をへつつも無事に成長して、愚鈍な大人になりました。愚鈍な大人は子供の時の癖が抜けず、気を抜くとまたボンヤリして様々な思いを巡らせてしまいます。
その想像の質も、テレビでみたアニメやドラマ、読んだ本や漫画の展開などを思い浮かべて「自分ならどうするか」と思いめぐらすという子供の時とそう変わらないものです。
とはいえ、そんな日々を過ごしているとそのうち頭の中に物語らしきものが浮かんできます。
気に入ったものはノートやスマホのメモに書き残すことなども増え始めます。
しかし本格的に執筆するには至りませんでした。自分でちょっと書いたもののレベルの低さに嫌になってばかりいたためです。
眠る前に頭の中でストーリーを組み立てるような毎日をすごしていた折、ある日ふと「私が死んだら今頭の中にある物語は世に生まれるでもなく、消えてしまうのか」という思いが胸に湧きました。
頭の中にある物語は非常に拙い物語ばかりではるけれど、せっかく湧き出でた物語やキャラクターを形にせず、消えるに任せるのはなんだか無責任ではないか。webの発展でたくさんの人が趣味として創作を楽しんでいる世の中になったのに、「下手だから」の理由で何もしないのは勿体ないのではないか……。
そのような思いが段々大きくなり、ある日ふと小説を書いてみる気になったのでした。
こうして創作活動を始めるにはやや遅めのスタートを切った次第です。
書き始める方針として、宝くじみたいな書籍化やプロデビューに賭けるよりも、とにかく自分の頭の中にあるものを出すのが先だ! ……というアマチュアの特権を活かした態度で創作に臨むことにしました。
蛇足……
私が『赤毛のアン』を初めて読んだのは結構遅く、大学生の時期です。
それまで孤児の女の子が養父母のもとで刻苦勉励して最終的に幸せをつかむ話だと思い込みずっと敬遠していたので手に取る時期が遅れました。
初めて読んだ時はその面白さに撃ちぬかれました。そりゃ今日に至るまで愛されるわけですよ、アンってば。
想像力過多な女の子と言うと、池上永一『夏化粧』に出てくる千佳子というキャラクターが印象に残っています。パワフルでめちゃくちゃで好きな女子でした。同系統のキャラクターにはキャロル・オコンネル『クリスマスに少女は還る』のサディーがいるような気もします。
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