第29話 読む人のことを考えよう……できれば。

【Q】

 もうすぐカクヨムに登録して二年目になるはずですが、その中で得た知見はありますか?


【A】

 創作論やカクヨム攻略法などでも見かけます通り、一話あたりの文字数は最大7000文字くらいがいいということですね。

 あんまり文字数が多いと書く方も大変なんですよ……誤字や脱字をみつけても、見失いやすいし。


【Q】

 そんなこと言っておいて、あんた、一話あたり20000字越えたりする馬鹿な真似を平気でさらしてません? 時々30000字近くになってますし。

 そりゃそんなことしたら読まれませんよ? 何考えてるんですか?


【A】

 ……ええと……、どうしても1エピソードにつき1話体勢が好きで……。分割した方がいいのはわかってるけれどどうしてもできなくて……。

 すみません。ほんとすみません。




 ――とまあそんなわけで、前回の更新からさほど間を空けずこのエッセイを更新することにしました。

 

 動機は……なんでしょうね。読み専さんのエッセイをいくつか読んだので、自分のスタンスを改めてまとめてみたくなったというところです。

 まあ、これまでに語ったこととそんなに変わら無さそうですが、よろしければお付き合いください。



【小説投稿サイトって書く場所? 読む場所?】

 私はもともと小説を書きたくてカクヨムに登録したので、圧倒的に「書く場所」というイメージで接しております。

 カクヨム以外、有名どころのなろうやアルファポリス、エブリスタなども同じように、基本的に「小説を書きたい人が利用する場所」というイメージが今でも先行しています。いうなれば、全世界に公開している創作ノートみたいなイメージですね……運が良ければ読者さんがついてくるという。


 「読む場所」というイメージが希薄なのは、自分がweb小説を読むことに親しまなかったせいですね。

 面白いと評判のなろうの小説に時々目を通したりしたものの、今一つピンと来なかったので読んで楽しむという楽しみは定着しないままでした(イラストや二次創作がメインのpixivは気楽に楽しめたのですが)。


 最近、やっとweb小説を読む独特の楽しさも理解できるようになってきましたが、今でもメインで読むのは書籍の方です。



【読み専さんとは?】

 カクヨムで活動するようになってしばしば目にするようになった、「読み専」という言葉――。

 書かないで読むことを専門に楽しむ人のことだろう、と、字面だけみてもなんとなくイメージは伝わります。


 そうだよな、別に小説読むのが好きだからって自分から書こうとは思わない人も多いもんな……。私も長い間そんなんだったもん。人が書いたものを読んだ方が圧倒的に楽しかったし――と、理解したような気になっておりました。

が、しかし、もう少し深くかかわってみると単純に「読者さん」といった意味ではないらしい。


 そんなことに気づいたのは、他人様のエッセイだの外部の某掲示板だのなんだのを見回っていると「カクヨムには読み専が少ない」「読んで評価つけたのは作者だけ」というようなボヤキをよく目にしたからですね。


 特に後者の言い分はなかなか理解できませんでした。「作者が評価つけるのはどうしてダメなんだ?」と首を傾げておりました。

 相互につながるからダメ、というのは分かります。でも、「書く人」というのは基本的には元々「読む人」であろう。自分でも小説を書いている人が、面白い作品を出会えばそりゃ評価もするだろう。そういうことが起きて当たり前だし、なにもがっかりしなくたって――という腑に落ちなさが今でも大きいのです。


 そんなわけで基本的に私はどなたからのものでも評価や応援を頂いたりすると、無条件で喜んでいます。

 中にはちょーっと怪しい星を頂いたりすることもありますが、あえて空気を読まずに喜んでおります。自分の書きたいものを最優先する芸風なので、どんな形式で頂いてもお星さまは嬉しいものですよ。


 私も気に入った作品にはわりと気軽にハートや星を送る方です。ですので受け取ってくださった方も気楽にお受け取りください。相互狙いとかではありませんのでそこのところはご安心を。


 ――作者からの評価はよくないという理屈は頷きかねるものの、返礼ねらいの星投げや相互はダメ絶対! というのは流石にわかりますので……(私も嫌だ)。



【知らなかった読み専さんのこと】

 とまあ、そんなわけで「読まれないなぁ~、ランキングに入りたいとか書籍化されたいとかは考えないけれど、今よりもうちょっとだけ読まれたら嬉しいのになぁ~」などと時々ため息つきつつも、「まあ好き放題やってる芸風のヤツにこれだけのフォロワーさんがいてくだされば十分よな」と落ち着きを取り戻したりすることで、自分なりにカクヨム活動を楽しんでおりました。


 そんな自分のある意味冷や水ぶっかけた読み専さんの貴重なご意見を書いたエッセイ――。


 紙の本にはないweb小説独自の楽しさを追及する方々、その中で生まれる独自の評価基準(立ち上がりが遅すぎるのはダメ、目が疲れるので文字の詰まりすぎで集客を期待するのは不利、余計な描写は要らない、等々)。

 好きな作品をメジャーにする力を持つというインフルエンサー読み専さん、PVはまわすがそれは単にヲチっていただけという読み専さん(自分もわりとヲチ気質なのでそういう人もいるだろうなというのは分かる)、鍵垢内でお勧め作品を共有しあう読み専さんグループ……。


 知られざる読み専さんの生態や活動におののき、その容赦ない評価基準に震え上がらずにはいられませんでした。ひょえ~。


 正直、自分の「書きたい!」を優先しているものなので、読まれることは二の次にしてる所があるんですよね。やってる取り組みは「視覚的な圧迫感を減らすために空行を設ける。段落変えもマメにする」「ななめ読みでもストーリーが把握できるように読みやすい文章であることを心掛ける」「視点はブレさせない」くらいでしょうか。あとはもう、自分がやりたい放題です。


 うーん、そりゃあなかなか読まれないのも当たり前だな。それにしても厳しい目でふるいにかけられていたんだな……。


 と、自分の活動を振り返って反省してしまいました。そりゃあなかなか読まれんわい。

 

 とはいえ、どうしても自分は「書きたいからカクヨムをやってる」というサイドの人間なので、そんなことをしたってそっぽをむかれるだけだよと注意されたことが書きたいことだったなら、迷わずそっちを取っちゃうでしょうね……。


 読まれることはそりゃあもう大変嬉しいけれど、頭の中にあるものを形にすることにもやりがいや楽しみを感じるのです。

 なかなか読まれなくて凹むことがあっても、評価基準をそこに絶対にする気質じゃなくてよかったなとわりと本気で思います。


 ――まあ、自分のやりたいことだけやってると時々猛烈に寂しくはなりますけどね。それも自分が選んだ道なので引き受けるしかないやと腹をくくればなんとかなります。




 それはそれとして、文字数だけは適量を守ったほうがいいですよ! 無駄に多いのは本当にいいことないです!

 

 ――私も次回の連載からは多くても10000字内に抑えるように精進いたしますよ、ええ。 

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