【冬凪】

 ――『冬凪や抜錨の音高らかに』


 季語は「冬凪」。

 冬の海の波が穏やかなことを表している。西高東低の気圧配置で、冬の海は荒れることが多い。しかし、時として風もなく波もほとんど立たない凪いだ状態もあったりする。

 波風立たない静かな海に、ガラガラと錨を巻き上げる音がした。聞き慣れている者からしたら普段通りのことなのかもしれないが、穏やかで静かな空間に響く抜錨の音はいつもより高らかに聞こえていることと思う。音と共に、船出の意気込みも高まっているような気がした。


 この句を詠んだ時期は、ちょうど「艦隊これ~いつかあの海で~」を見ていた。たまたまアマゾンプライムで見つけたアニメ。元はゲームで人気を博したようだが、名前だけ知っててその内容までは知らなかった。

 なかなか面白かったので、劇場版とその後に2015年に放映されたアニメも見てみた。見る順番を間違えてしまった感は否めないが、結論を言えば面白かった。戦艦の特徴を上手く引き出していて、当時の名言や二つ名のようなものもさり気なく盛り込まれおり、この作者は本当に戦艦を愛しているのだなという思いが伝わった。日本を代表する戦艦「大和」が、燃料を大量に消費するから大喰らいという設定なんてもう笑うしかない。

 作中で「抜錨します!」と声を上げるシーンが耳の残っていたから、この句が浮かんできたなんて裏話、どうでもいいかな?


 ちなみに愛宕は高雄型重巡洋艦『愛宕』推しである(ぱんぱかぱかぱーん!)☆

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