概要
「物語」は時として、人をも喰らう。
「小学生の頃の私は、どうしたら小腸に直接触れることができるかということだけを考えていた」
老作家の館で住み込みの家事手伝いをしている藤沢。
老作家の机には、外国語で書かれた手記が置かれていた。
藤沢は辞書を頼りに、その手記の翻訳を始める。
藤沢はなぜその手記を翻訳しなければならなかったのか。
翻訳した先に、何が待っているのか。
※残酷描写があります。ご注意ください。
老作家の館で住み込みの家事手伝いをしている藤沢。
老作家の机には、外国語で書かれた手記が置かれていた。
藤沢は辞書を頼りに、その手記の翻訳を始める。
藤沢はなぜその手記を翻訳しなければならなかったのか。
翻訳した先に、何が待っているのか。
※残酷描写があります。ご注意ください。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!純化されていく狂気を、老作家は、彼女は、如何に語るか。
違和感。
まずはそれだろう。
目次の順番が異様だ。
意図された「読みにくさ」が物語への没入を阻むのに、
それでも惹き付けられ、続きを読まずにはいられなかった。
人里離れた山奥に住む老作家は外界との接触を完全に遮断し、
ハウスキーパーの「私」だけが彼の日常に存在を許されている。
「私」の役割は「空気」であり、老作家は「私」を摂取する。
「私」は次第に気付いていく、そして老作家の苦しみを知る。
ピースがつながらないうちは混乱が先立ち、読み進めづらい。
それはあたかも「私」が辞書を頼りに手帳を読み解くかのよう。
すらすらと読めるようになると、もう後戻りはできない。
純化されていく狂気をただ、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!家政婦が見つけた作家の手記。赤黒い好奇心の、行きつく先は。
「小学生の頃の私は、どうしたら小腸に直接触れることができるかということだけを考えていた」
住み込み家政婦の藤沢が見つけた、老作家の手帳。
外国語で書かれた秘密の手記を、藤沢はひそかに読み進める。
小動物に対する残酷描写があるので、苦手な方は避けたほうがいいです。
何かきっと面白い構成になっているに違いない。
と、見ただけで期待が膨らむ目次。
十四話~と、一話~の二つの時系列で、話が進むのです。
期待に違わぬ展開。
衝撃的な文章で始まる手記の続きも読みたいし。
なぜ彼女が手記を読んでいるのか、そこに至る経過も気になる。
手記を藤沢が読む、その描写をディスプレイ上で読んでいるだけなのに。
…続きを読む