家政婦が見つけた作家の手記。赤黒い好奇心の、行きつく先は。

「小学生の頃の私は、どうしたら小腸に直接触れることができるかということだけを考えていた」
住み込み家政婦の藤沢が見つけた、老作家の手帳。
外国語で書かれた秘密の手記を、藤沢はひそかに読み進める。

小動物に対する残酷描写があるので、苦手な方は避けたほうがいいです。

何かきっと面白い構成になっているに違いない。
と、見ただけで期待が膨らむ目次。
十四話~と、一話~の二つの時系列で、話が進むのです。
期待に違わぬ展開。
衝撃的な文章で始まる手記の続きも読みたいし。
なぜ彼女が手記を読んでいるのか、そこに至る経過も気になる。

手記を藤沢が読む、その描写をディスプレイ上で読んでいるだけなのに。
じっとりとした湿度と、むせ返るような血の臭いが伝わってくる。
読んでいて、手に汗が滲んできます。
作家と藤沢しかいない館、という閉鎖環境がしみじみ怖い。
やろうと思えば何でもできてしまう。

グロテスク大丈夫な方には、本当にお薦めです。
読了後は、ループして最初から読みたくなります。
十三話の次は、十四話なんですよ……。