47 雪景色・資格・G

【雪景色】


 梅雨が明けて、暑い日が続いています。

 クーラーが苦手な五月先生は汗だくです。


「五月様、これどうぞ」

 メイドさん、一枚の写真を五月先生に手渡しました。


「今頃なぜにこの写真?」

「毎日暑いですから、少しでも涼しさを感じていただければと……」

「んー」

「わたくし間違ってますか?」

「たぶん」

「・・・」


〔大雪が降った日の庭の写真〕

 メイドさん、どんだけ見てても涼しくはなりませんよ。




【資格】


 メイドさん、一心不乱にチラシを見ています。

「メイド、何見てる?」

「資格のパンフレットです」

 五月先生、紙面を眺めます。


「へー、いろんな資格があるんだな」

「この中だったら、わたくしには何ができるでしょう?」

「資格取ってどうするの?」

「いえ、特には……」

「……メイドやめるの?」

 五月先生、めっちゃ心配顔です。


「五月様……」

「やめるの?」

 五月先生、半べそです。

「やめませんとも!」

「じゃあ、メロンアイス買ってきて」


 メイドさん、肩を落として出かけます。

「ちっ、ゴガツンめ!」

 メイドさん、言葉遣い。




【G】


「んぎゃー! ひぇーーー!

 メイドさんが悲鳴をあげています。

「ご、五月様ぁ〜、Gでございますぅ〜!」

 メイドさんが叫んでいます。


「私にじいはおらんが?」

「G〜!」

 バタバタバタ……。

 メイドさんが近づいてきます。


「私をじいさん呼ばわりかっ!」

「違いますです! あそこ」

 メイドさん、廊下を指差します。

「G!」

 五月様もお嫌いです。


「しかたないでございますね」

 バシン!

 こうして、ひと夏毎にたくましくなるメイドさんでしたとさ。

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