46 風鈴・中華料理・蚊

【風鈴】


 五月先生とメイドさん、風鈴絵付け体験にやってきました。

 まずは、ガラス吹きを見学しました。


「五月様、風鈴職人さんは気温以上の暑さで大変でございますね」

「あぁ、いろんな職人さん、それぞれの大変さはあるだろうが、ガラスは特にだな」

「皆さん汗びっしょりでした」

「うん。で、お前は何描いた?」


「ひまわりでございます」

 メイドさんが風鈴をかかげます。


「え、それ、ミカンかと思った……」

「・・・」

 五月先生、いくらなんでもそれじゃ季節感ゼロ……。




【中華料理】


「久しぶりに外食するか」

 絵付け体験の帰り道、五月先生が提案します。


「ようございますね」

 メイドさんは大喜びです。


「何がいいかな、スタミナ付けるために中華なんてどうだ?」

「わたくし大好きでございます」

「お前はなんでも好物だな。辛めの麻婆豆腐と、青椒肉絲……」


「お皿がターンテーブルに乗って、まるでメリーゴーランドのようでございます」

「え、そこ?」

 おそらく、メイドさんは回転ずしも好物かと思われます。




【蚊】


 ブーン……。

 パチッ!

 ブーン……。

 ペチッ!

 メイドさん、なにやらドタバタしています。


「バタバタと何だ?」

「五月様、蚊の退治でございます」

「線香焚けば?」

「いえ、これが適度な運動になりまして、ダイエットになるかと……」

「そうなのか?」


 パシッ! ビシッ!

 五月先生もドタバタします。

「ゼーゼー、確かに……」


 バチッ!

「五月様やったでございます!」

 お見事です。

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