44 服がきつい・雷・牛乳

【服がきつい】


 五月先生、洗面所の鏡に向かっています。

 髭を剃り、髪をセットしておめかしです。


「今日は同窓会。久しぶりにスーツにしよう」

 クローゼットからお気に入りのスーツを取り出しました。

「あ、あれ? きつい……」


 メイドさん、姿見の前で服を気にしています。

「今日は久しぶりにピンクのメイド服にしましょう」

 クローゼットからピンクのフリフリワンピースを取り出しました。

「あ、あれ? きつい……」


 おふたりとも諦めました。

「お互い、こんな怠惰な生活だ」

「当然でございますね……」




【雷】


 ピカッ! ゴロゴロゴロ……。

 雷です。

「ヒェ〜」

 ピカッ! バリバリバリ……。

「ギャ〜」

 メイドさん、悲鳴をあげています。


 ブーン、ブーン……。

 めいとさんのスマホに、五月先生から着信です。

「あい、もしもし?」


「メイド、傘持って駅まで迎えにきて」

「こんな雷の中、行けるわけがございません!」

「えー」

「濡れなされっ!」

 ブチッ……。


「・・・」

 五月先生、コンビニでビニール傘を買いました。




【牛乳】


「ただいまです」

 メイドさん、お買い物から帰ってきました。

 

「買ってきたもの冷蔵庫にしまいましょ」

 野菜とお肉、アイスに牛乳、隙間に詰め込みます。

「れ? 牛乳がまだこんなに残っています……」


「メイド、おかえり」

 五月先生がコーヒーを取りに台所にきました。

「五月様、牛乳お飲みにならないのですか?」

「んー、最近お腹がゆるくて……」


「そ、それはたいへんです! ばば様の秘伝や……」

「いらん!」

 五月先生、得体の知れないばば様の秘伝薬は苦手です。

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