31 新しいお店・時計の修理・指切った

【新しいお店】


 五月先生とメイドさん、商店街を歩いています。

「五月様、また新しいお店です」

 最近の商店街はお店が閉まったり、新しいお店に変わったりが激しいです。


「和菓子屋はラーメン屋、百均は餃子屋、喫茶店は塾。ここはバーか……」

「この間、畳屋さんもなくなりました」

「時代だな」

「なんか寂しいです……」


 各地でシャッター街が問題になっています。

 お店が変わっても、商店街がさびれないだけまだ良いのかもしれませんが。

「昔は畑も空き地もあった」

 アパートや一戸建ても増えましたね。


「お庭、大事にしましょ」

「ああ」




【時計の修理】


 メイドさん、目覚まし時計を振り回しています。

 どうしたのでしょう。

「五月様、時計が壊れました……」

 ああ、それで。

 でも、降ったら余計に壊れてしまいますよ。


「電池は?」

「取り換えたけどダメです」

「よし!」

 カチャカチャ、カチャカチャ……。

 五月先生、ドライバーを出してきて、時計を分解しています。


「どうだ!」

 コチコチコチ……。

 直ったようです。


「五月様すごい!」

「親父が時計職人だったから」

「えっ? そうなの?」

「嘘」

 五月先生、嘘はダメです!




【指切った】


 トントントントン……。

 メイドさん、お台所です。

 お昼のメニューはなんでしょう。


 きゅうりのお新香を切っているようです。

「イタぁ〜〜い!」

 あぉ !


「メイド、ど、どうした!」

「五月様ぁ、包丁で指切ったでございます。痛いぃ〜」

「お前ともあろう者が珍しいな」

「弘法も筆の誤りでございます」


「……イメージは河童の川流れだな」

「何かおっしゃいましたか?」

「いや、何も……」

 あのぉ、ギャグ言ってないで早く手当てしたほうが……。

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