三奈木真沙緒

当レビュー筆者が、戦隊という言葉にひかれて拝読した本作。いや、おもしろいわー。異世界にやって来て何をしなくちゃいけないかって、それをしないと元の世界に帰れないんだから仕方ない。…と…続きを読む

平安の京とはいいながら、治安も万全とまではいえず、その闇夜には夜盗も怪異も跋扈していたという、平安時代初期。本作は、冥府にて閻魔大王の片腕を務めていたと噂された男・小野篁の活劇を描…続きを読む

演劇同好会の仲間が、不可解な言葉を残して消えた。その直後から、主人公の日常に奇妙な違和感が忍び込む。日常を過ごしているはずなのに劇を演じているような。いや、演劇の中で日常の場面を演…続きを読む

主人公はひたすら、玉川上水緑道を歩く。歩き続けるうちに思い返すのは、少年時代の思い出、職場でのストレス、コロナ禍の圧迫感…いつしか小金井公園を通過して小平近辺へ。歩きながら通り過ぎ…続きを読む

あの名作「ギリシャ物語」の外伝。本伝より先に読んでも楽しめます。穏やかなタイトルとは裏腹に、波乱万丈、不運の女神に魅入られたとしか思えない、父と息子、ふたりの男性の苦悩と葛藤が綴ら…続きを読む

感染症（新型コロナに非ず）が猛威をふるう世界。日本政府の要人も次々と亡くなり無政府状態。新聞記者である主人公は、国連や政府の関係者、東京都知事らと丁々発止のやりとりを繰り広げつつ、…続きを読む

ニュースでも「がいしゅつじしゅく」って言っているんだから、ね？

感染症蔓延により、出歩く人のほとんど絶えた街。家族を失い、大学もやめた主人公は、デリバリーのバイトを始める。時にウィルスそのものであるかのように罵倒されながら、時折秘密のドリンクを…続きを読む

根源的な欲望は、ウィルスよりも逞しい、のかもしれない。

例年とはいろいろなものが変わってしまった夏。歪んだ日々の隙間からある日、ひとりの少年があらわれる。彼は、７年前に亡くなった、主人公の父と同じ名を名乗った…。 静かな文体の中に、じっ…続きを読む

離島に暮らす中学生男女の、繊細な思いが綴られます。教室にエアコンがなかろうと、オリンピックが中止になろうと、あの日々はたった一度きり。きっと、これからも忘れず、折に触れて思い出す。

パワハラって言葉は聞いたことあるけど、ピンとこない…もしそう思えるなら、非常に幸運だ。だがもしも、ある日ふと、「あれ、これってパワハラに遭っているのでは…」と気づいたときには、すで…続きを読む

言葉のリズムは心地いいのですが、内容の恐ろしさたるや…。もういっそすべてウソであってほしい…（怖）。

身近にありえそうな、似た経験が自分にもありそうな…読後、そんな気分になるのはなぜだろう。

スパルタとアテナイに代表される、ギリシャのポリス時代。出会うべくもなかったはずのふたりが出会い、激しい恋に落ちてしまう。折しも各ポリスはそれぞれの思惑をもって腹を探り合い、策謀をめ…続きを読む

森で暮らす小さなリスの女の子が、あるウワサを耳にして、森の奥へ冒険の旅に出発！　果たして願いは叶うのでしょうか？　進むにつれて暗くなっていく森の奥に、きらきらと差し込む希望の光。挿…続きを読む

ひねり出す苦しみ、言葉を探す苦労、はまったときの歓喜、そうした過程が繊細に詠み込まれています。 短歌や俳句に苦悩された方々、きっと「わかるぅ〜」と共感ひとしおではないでしょうか。短…続きを読む

詠み込まれる語句が、毎回破壊力満点で、思わず「えっ？」と二度見。そして本文の、作者様ご自身の解説がまたおもしろく興味深い。一粒で二度おいしく、しかもおいしさの密度がスゴイ。五七五と…続きを読む

子猫のるーちゃんのご近所大冒険が、まったりと描かれます。もふもふな情景もさることながら、やわらかくリズミカルな文章で構成されているのもポイントで、声に出して読んでみてもいいかも。テ…続きを読む

当レビュー書いている時点で未完ですが、三部作の完結編という位置付けの模様。ジャンルは恋愛とあるものの、あまりにも壮大にして緻密に作りこんだ世界観は、異世界ファンタジー戦記と言ってい…続きを読む

「幸運の猫」の噂を聞いた主人公。身も心も疲れ果てた彼が、その猫に会えるといわれる公園で見たのは…ちょっと大きいけど特に珍しいところのない猫。本当に幸運を運んでくれるのか…？ 猫のブ…続きを読む