離島に暮らす中学生男女の、繊細な思いが綴られます。教室にエアコンがなかろうと、オリンピックが中止になろうと、あの日々はたった一度きり。きっと、これからも忘れず、折に触れて思い出す。
若い世代が、苦悩しながらも自分の可能性や能力を信じて、前に進んだり困難を乗り越えたり、そんな小説が書きたいと思っています。その一方で、よくわからないものを書い…
この日を忘れないのも、幾度となくこの日の記憶をなぞるのも、なぞっては戻れない歳月を数えるのも胸の奥底がぎゅっとするのも――すべて彼だけではないはず。だからこそ、やるせないほど美しいのだろう。
離島特有の情感に、時代の流れが重なり合い、清々しい読後感です。二人のこれからに思いを馳せてしまいます。きっと、男子は何度か思い出の場所を訪れると思いますよ。女子は?
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