離島特有の情感に、時代の流れが重なり合い、清々しい読後感です。二人のこれからに思いを馳せてしまいます。きっと、男子は何度か思い出の場所を訪れると思いますよ。女子は?
少年時代を離島の小さな町で暮らした。海の情景、香り、音、そして生き物をこよなく愛し、海辺を舞台とした作品を中心に執筆活動中。著書に「海辺の町の物語(2007…
離島に暮らす中学生男女の、繊細な思いが綴られます。教室にエアコンがなかろうと、オリンピックが中止になろうと、あの日々はたった一度きり。きっと、これからも忘れず、折に触れて思い出す。
この日を忘れないのも、幾度となくこの日の記憶をなぞるのも、なぞっては戻れない歳月を数えるのも胸の奥底がぎゅっとするのも――すべて彼だけではないはず。だからこそ、やるせないほど美しいのだろう。
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