労咳は面相をも変える死の病。しかも、人を多く斬った者には、すぐにそれと分かる特有の暗さに支配された表情があったという。沖田の顔には壮絶な凄みがあっただろう。それにも関わらず、沖田が見せる透き通った表情は、恋の証だったのだろうか?
少年時代を離島の小さな町で暮らした。海の情景、香り、音、そして生き物をこよなく愛し、海辺を舞台とした作品を中心に執筆活動中。著書に「海辺の町の物語(2007…
ご飯には作る人と食べる人がいるものですが、食べる人のことを思い抜いて作られたご飯ってこんなに素敵なのかと目頭が熱くなりました。美味しいご飯の裏にあるのは ただただひたむきに相手を想う気持ち。「…続きを読む
新撰組、料理、恋ごころ…… 三つのテーマが巧みに溶け合っていて、文字数以上の読みごたえを感じる短篇でした。
新撰組の最前線から退かざるを得なかった頃の剣の達人、沖田宗司と、その身を案じるひとりの京女の織りなす「美味しい話」です。病魔すら意に介さずに、ひょうひょうとやつれていく沖田と、やきもきしながらそ…続きを読む
新撰組の沖田総司と言えば、その剣の腕と後年病に倒れたことは有名な話だ。この方の作品を拝見するといつも思うのだが、何かしら透明な、痛いほどの静けさが今作にも漂っている。この作品は、病床に在る沖田と…続きを読む
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