労咳は面相をも変える死の病。しかも、人を多く斬った者には、すぐにそれと分かる特有の暗さに支配された表情があったという。沖田の顔には壮絶な凄みがあっただろう。それにも関わらず、沖田が見せる透き通った表情は、恋の証だったのだろうか?
少年時代を離島の小さな町で暮らした。海の情景、香り、音、そして生き物をこよなく愛し、海辺を舞台とした作品を中心に執筆活動中。著書に「海辺の町の物語(2007…
多くを語らない描写が新鮮で、ふっと物語の奥へと入り込んでいきます。2人の駆け引きがちょうどよく、現代人である僕らでもこの感情を、食べ物を通して伝わっていきます。不器用でも確かな思い、感じるこ…続きを読む
言葉が綺麗である。一つ一つの文章に愛情をかけるのは物書きにとっては当然のことであるが、それが読む人間にまで真っ直ぐに伝わる作品はなかなか無いと思う。この話は短いながらも、一つずつの言葉に込めた想…続きを読む
柔らかなやまと言葉も美しいけれど、何より花乃の真っ直ぐさと、飄として何も考えていないような総司のさりげない気持ちが言葉になったとき、ホロリとしました。美味いこの一言がこんなにも清々しい作品も…続きを読む
この作品もいいですね。過不足のない言葉が明るい庭越しの練達のピアノのように心地よく聴こえてきます。軍鶏鍋のうまさを語るより、どんなものを食ってくれないかを挙げ、卵料理ならひと匙ふた匙というところま…続きを読む
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