静謐、温もり、そして哀しさ。

動乱期の京都とは対照的に静謐な雰囲気、堅実でしっとりとした筆致により、花乃や沖田の表情や立ち居が鮮やかに読者の眼に映ります。
「いけず」。何とも奥行のある言葉ですね。たった3文字の言葉のなかに、花乃の切なく、いじらしい気持ちが凝縮されているような。
余談ながら、東京方面のなかでも八王子は味付けが濃いめ、とこれはレビュー者の知人から実際に聞いた話。

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