どんな道も、1歩ずつ。

主人公はひたすら、玉川上水緑道を歩く。歩き続けるうちに思い返すのは、少年時代の思い出、職場でのストレス、コロナ禍の圧迫感…いつしか小金井公園を通過して小平近辺へ。歩きながら通り過ぎて行く風景と、適度な休憩。絶妙のタイミングでいくつかの回想が語られ、ちょうど歩くペースに合わせているようでテンポがよい。読み手としても、主人公と一緒に軽く汗ばんでいる気分になる(そういえば今日はちょっと暑いな)。終着点で、主人公のもとに飛び込んできたのは…。ただただ歩き続けるうちに、日々積み重なったイライラも、いつしか玉川上水に流れ行く。密を心配しなくても、ひとりでできるリフレッシュ。さ、明日からがんばろう。

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