当レビュー書いている時点で未完ですが、三部作の完結編という位置付けの模様。ジャンルは恋愛とあるものの、あまりにも壮大にして緻密に作りこんだ世界観は、異世界ファンタジー戦記と言っていいと思います。第一部当初、蛮族と呼ばれる部族の女王の情夫となるべく囚われた、若者ボルドの運命やいかに? …という導入から、大国に挟まれた部族の生き方という大きな課題、複雑にからみ合う個人個人の立場と思惑などが、文字数をかけて丁寧に描き込まれます。そしてついに第三部では、大国との、部族の存亡をかけた、避けられない激突! 女王の情夫だったボルドはいつしか、なくてはならない戦力に成長しており、彼自身の戦いにすすんで身を投じていきます。
果たして、この戦争の行方は? 女王ブリジットとボルドは、生きて再会できるのか?
三部にわたる大作ですが、大スケールのファンタジーロマンが好きな人は、抜け出せなくなるかもです。じっくり読みがおすすめです。