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企画内容

 出版業界で圧倒的シェアを誇る漫画。その構成要素として真っ先に思い浮かぶのは「絵」です。これによりキャラの動きや表情、場面風景などが全て表現され、その重要性はストーリーと双璧をなすといっても過言ではありません。小説でいえば「地の文」がこれに該当します。

 次に「セリフ」。言うまでもなく、キャラが直に喋る言葉。漫画では主に吹き出しで表現されますが、小説の場合は「」になります。
 このような表し方の違いにより、小説でセリフを書く際には漫画以上の苦労が伴います。なぜなら、「」は吹き出しのように発言者を指し示すことができないから。どのキャラのセリフか読み手に理解させるためには、前後の文や言葉遣いに相応の配慮と工夫が必要となるのです。

 そして最後に「オノマトペ(擬声語)」。漫画の場合は絵と一緒に、小説では地の文にまぜて使われます。ただし、漫画と小説では読み手に与える印象が違う部分があるため注意が必要です。
 詳しくいえば、「ふらふら」や「びくびく」などといった動きや様子を表す擬態語(擬容語)を小説に用いる場合、頻度が高くさえなければさほど雰囲気を壊すことはありません。
 一方で「ドカッ」とか「グサッ」などの音をイメージする擬音語の場合、文章の一部として使う限りにおいては耳障りで子供じみた印象が強く、たとえ一度きりの使用であっても質の低さを感じさせる可能性は高くなります。ここが漫画と大きく異なる点といえるでしょう。

 以上のように小説を他のメディアと比較してみると、地の文がいかに重要であるかがわかります。最近は地の文を嫌い、セリフと擬音語だけの作品を望む人もいるようですが、それは漫画に例えるとどのようなものか? お分かりの通り、セリフとオノマトペだけの絵のない漫画になります。
 そのような作品は、もはや漫画とは呼べません。それは小説も同じこと。地の文のない作品は小説ではなく、いうなれば台本や脚本の類。そういった描写に乏しい作品では、残念ながら「情景が自然と浮かび上がるような上質な空想体験」を読者に提供することはできません。

 そこで、この企画では「上質な空想体験をもたらす小説」を募集します。空想の質は読者側の問題と捉える人もいるでしょうが、豊かな実りは良い土壌によって育まれるもの。いくら一部のファンが色眼鏡を通してひいき目に捉えようとも、世間から受ける広く客観的な評価は覆りません。アニメや漫画などのメジャーな媒体に展開された途端、炎上したり不人気の憂き目にあう作品が多く見られるのは、まさにその現れ。 もし大衆的な評価が歪むことがあるとすれば、それは質の問題ではなく、ひとえに販売努力の差といえるでしょう。

 というわけで、マイナーかつマニアックな場の雰囲気に流されることなく、広い視野で腕を磨き続けている書き手の皆様の参加をお待ちしております。そのような方々の書く作品は、地の文にせよストーリーにせよ、きっと良い手本となるはずです。
 参加条件に該当するかどうかは、各自でご判断ください。エッセイ、創作論などの参加はご遠慮願います。ただの本棚企画ですので、読む読まないはどうぞご随意に。

参加方法

参加する小説の設定画面で、自主企画欄にある「上質な空想体験をもたらす小説の本棚」を選択してください。

運営より

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